~抽出~
表現の不自由展・その後」の企画の趣旨は、これまで展示拒否などにあった作品を実際に見てもらい、それをもとに表現の自由・不自由について議論をしようというものだったようなのだが、その展示自体が中止になってしまうという不幸な事態になった。
この間、いろいろな関係者が会見や発言を行っているが、愛知県知事、芸術監督の津田大介さん、5人の実行委員、出品していた作家と、それぞれの関係や立場がわからないと、この経緯もわかりにくいかもしれない。そもそも気になるのは、本来は美術展というのなら作品を出品した作家たちが主役のはずなのだが、ほとんどの出品作家が中止について事前説明を受けず、報道によって知ったというのが実情であることだ。
「天皇の写真を燃やした」という誤った情報
抗議の大きな矛先は、慰安婦問題をテーマにしたいわゆる「平和の少女像」をめぐってで、韓国との緊張関係が続いている時にけしからんという政治的反発が起き、河村たかし名古屋市長や菅官房長官ら政治家の発言がそれに火をつけて抗議電話が殺到するという状況になったわけだ。そこに天皇の写真を燃やす映像も流れていたらしいという話が加わって騒動が大きくなったのだが、でも天皇の写真を燃やしたというのは誤解で、そういう事実はない。
少女像と並んで、「昭和天皇の写真を燃やした」と抗議の対象になっていた美術家の大浦信行さんとは以前からの知り合いで、もともと「表現の不自由展」に出品することになったきっかけは、私が『創』に書いた記事だ。その記事を収録した私の新刊『皇室タブー』を大浦さんに送付し、8月3日に電話でそれについて話したのだが、まさにその電話の最中に、名古屋で大村愛知県知事が会見、中止を発表したのだった。
https://lite.blogos.com/article/397354/
昭和天皇の写真を燃やした展示物あったでしょ?それとも私の勘違いですか?
天皇陛下の写真を燃やしたのは誤解?
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