私の問いは単純だ。韓国は輸出で成長する国なのかというものだ。大半の人は、韓国が輸出で暮らせている国だということをまったく疑っていない。しかし、このような考えは韓国銀行によって発表された資料とはかなり距離がある。「支出項目別の成長への寄与度」をみると、純輸出(輸出額から輸入額を引いた数値)の実質成長率に対する寄与度は、民間消費や投資より概して低い。純輸出の成長への寄与度が最も高かった年は、過去70年で11回に過ぎない。1990年代後半から輸出の重要度は高まったが、民間消費と投資よりは低い。
もちろん、2024年の成長率に対する純輸出の寄与度は実に90%(実質成長率2%に占める純輸出の比重は1.8ポイント)に達し、輸出が成長をけん引した。しかし2024年は内需が深刻な沈滞に陥った例外的な時期だった。相対的に純輸出の成長への寄与度が大きかった李明博(イ・ミョンバク)政権時代も、純輸出の平均寄与度は33.1%で、民間消費は34.3%だった。これに投資と政府支出を加えれば、内需の成長寄与度はさらに高くなる。
李承晩(イ・スンマン)政権から尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に至るまで、各政権の平均純輸出の成長への寄与度が民間消費より高かったことはなかった。韓国経済は民間消費と投資、すなわち内需が引っ張っているということだ。すべての支出項目で輸入の占める比率を差し引く「輸入調整成長寄与度」方式で計算しても、結果は同じだった。韓国人が信頼する(?)外国の学者の研究も似たようなものだ。通念とは異なり、韓国は輸出主導型経済ではなかったのだ。 (中略)
輸出は重要だ。食糧やエネルギーはもとより部品、素材、設備を輸入してこそ生きていける国で、外貨が稼げる輸出は必要不可欠だ。内需も輸出なしにはまともに回らない。しかし、輸出が必要不可欠だということと、輸出そのものを目的とする経済の政策の方向性はまったく異なる。
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/54435.html
韓国経済は輸出が成長を主導しているのか【寄稿】
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