ロサンゼルスに住む韓国系のほとんどは、コリア・タウンが廃虚同然となった1992年のロサンゼルス暴動当時をはっきりと覚えている。そのため、多くの韓国系住民は当時の事態が再現されるかもしれないという恐怖の中、売り上げもぱったりと途絶え、この先の暮らしがどうなるのかと不安を抱えているのだ。
ジョバー・マーケットで商売を営むパクさんは「不法移民という立場のスタッフたちは、取り締まりを恐れて数日前から無断欠勤している」「韓国系の縫製工場の中には、出勤する作業者が足りず生産を一時停止するところもかなりある」と話した。ジョバー・マーケットから車で20分の所にあるコリア・タウンなど韓国系住民の密集地域は、活気に満ちあふれた通常とは打って変わって、行き交う人々もなくひっそりとした空気が流れていた。
■「また店が燃えるのか」 LA暴動のトラウマ…シャッターを下ろす韓国系住民たち
騒動発生から5日目を迎えた今月10日には、午後の早い時間からロサンゼルスの至る所でデモが繰り広げられた。バンダナなどで顔を覆ったデモ隊は、メキシコの国旗を振りながら連邦の不法移民収容施設の前で州兵たちと対峙(たいじ)した。
今回の事態は、今月6日からロサンゼルス一帯で米移民・税関捜査局(ICE)が、ヒスパニック(中南米系)の日雇い労働者の多数勤務する大手スーパーや洋服店、飲食店などに強制捜査に入り、大々的な不法移民摘発に乗り出したことに触発されたものだ。書類を備えていない不法移民を無差別に拘束・拘禁したため、ヒスパニック系住民を中心に抗議デモが起きた。デモ隊が高速道路の占拠や自動運転タクシーへの放火など過激な行動を取るようになり、トランプ大統領が州防衛軍に続いて海兵隊まで投入すると、ロサンゼルスは一層混乱し、韓国系住民の暮らしまで脅かされている。
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抗議デモが呼び起こす1992年LA暴動のトラウマ、シャッターを下ろす韓国系の店主たち
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