ロシアへの中古車輸出規制強化から1年半
ロシアへの中古車輸出に関する経済制裁は、ウクライナ侵攻後の2022年3月下旬から始まった。ただ、当初は「600万円以下の車両」の輸出が許可されていたため、むしろ日本車の輸出台数は激増。欧米や日本の自動車メーカーがロシア国内での生産から撤退したことにより、ロシア国民たちは輸入車に頼るしかなくなったのだ。
このような状況からロシア向け中古車は活況を呈していたが、日本車や日本車の部品が軍事転用されるケースが相次いだこともあり、2023年5月に中古車輸出の厳しい制限が追加された。
「日本の業者オークションでは、ロシア人やパキスタン人の業者がロシアで人気のランドクルーザーやアルファードといった車を高値で凄まじい数を一度に落札しています。日本の中古車業者が手を出せないほどです。高値であってもロシアでは売れるから心配ないのでしょう」
「金融制裁をかいくぐるために、日本国内で日本円での取引をしているのです。仲介するのは外国人経営の会社が多いと思います。業者オークションで落札された車の情報を掲載し、取引が成立すれば仲介する業者が富山や新潟、小樽、木更津などの港から出るロシア向けの船に載せます。
もちろん、直接日本からロシアに行くことはできないので第三国を経由して輸出されています。多いのは香港か韓国を経由するルートです。樺太経由もありますし、コストが高くなりますがUAEやモンゴル経由もあると思われます」
第三国経由の迂回輸出は法的に問題ないのか。経済産業省貿易管理課に確認してみたところ「迂回輸出も犯罪」との回答だった。
「水害車」を装った輸出方法も
迂回輸出についてはこれまでも報道されており、筆者もその可能性があることはわかっていた。実際、制裁対象車が増えた2023年8月以降、ロシアへの輸出台数は減ったがUAEやモンゴルへの輸出台数が激増しており位置的にも近いモンゴル経由でロシアに渡る中古車もあるのだろうと思っていた。
しかし最近になって、他にも「意外な輸出方法」が急増していることわかった。水害車や大破した事故車を装って輸出するという方法だ。
輸出禁止のランクル、アルファードがロシアで大量に売られている…!韓国、香港経由の「迂回輸出」か…
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