韓国・ドイツ・日本の歴史には共通点がある。この3カ国は共に、かつて歴史の遅刻生だった。近代資本主義世界を作った産業革命から50年・100年・200年遅れた国だった。英国から始まった産業革命の起点を1760年代前後としよう。その時、ドイツは2000以上の領主が治める土地と自由都市がモザイク状になっている地域に過ぎなかった。1807年に侵略者ナポレオンが、遅れているこの地に近代的な道路をいくつか作った。日本近代化の出発点は1868年の明治維新である。当時の高給取り100人は全員、外国人の技術顧問だった。韓国は1960年代に世界経済に合流した。韓国の官僚や企業関係者たちが先進国の文物を学ぶと言ってフィリピンやパキスタンに見学に行った時のことだ。
遅刻生3人の現在の経済成績表は日本2位、ドイツ3位、韓国8位だ。1949年以来、共産党一党独裁体制の中国を含めれば、順位が1位ずつ下がる。英国は遅刻生ドイツと日本にとって経済の先生だった。ドイツは英国から持ち込んだ製鉄技術を改革して鋼鉄時代の先頭走者になり、日本は英国製の紡織機で作った製品で英国の市場を奪った。韓国は日本とドイツを時に教科書、時に参考書として、遅まきながら勉強を始めた。少し誇張して言えば、そうした英国と韓国の間の経済格差は今やわずかになったといえよう。
優等生を作る「どうやって」勉強法の限界は源泉技術を生み出せないということだ。源泉技術は「なぜ」という問いから誕生する。「どうやって」は投げかけられた問題を解く能力を、「なぜ」は隠された問題を見つける能力を育てる。しかし「なぜ」と問う勉強法は成功率が低い。創造的な天才が誕生する確率は低く、ほとんどが異端児または落第生として不運な日々を過ごす。「ソウル大学ではどんな学生が成績表でA+評定をもらうのか」という研究によると、ソウル大学は「どうやって」勉強法の工場だそうだ。そのように育てられた優等生たちが韓国をこれだけ成功した国にした。これが限界だろう。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/04/2022060480019.html
【コラム】「どうやって」を問い先進国に追いついた韓国、今こそ「なぜ」を問い源泉技術を生み出す時だ
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