訪韓した米国のトランプ大統領を歓迎する晩餐会の最中、元慰安婦と称する女性がトランプ氏に抱き着いたことが記憶に新しい。多くの日本人は心底あきれ、苦々しく思ったことだろう。ただ、西洋社会で長く暮らした人なら分かることだが、トランプ氏は元慰安婦を「ハグ」などしていない。失礼にならない程度に受けただけで、むしろ右手で元慰安婦の腕を押さえて距離を取っている。あれはハグとは言わない。
韓国の演出に憤るのは無理からぬこととはいえ、もっと大事なことがある。それは、日韓合意が一方的に破られているというのに、日本はいつまで「土下座外交」を続けるのかという点である。
センセーショナルな物言いをする必要はまったくない。あくまでも淡々と1次資料に基づく立論を行うのだ。今年8月、筆者は米ジョージア州議会議員に資料を見せながら「慰安婦制度とは何か」を説明する機会を得た。2人ともひどく驚いた様子で、「日本政府は強制連行や性奴隷を否定する証拠を持ちながら謝罪しているのか?」と聞いてきたのが印象的だった。
「抱き着き慰安婦」に立腹するのはよい。無理やり「独島エビ」を晩餐会メニューに含めた韓国政府に何を言っても無駄だろう。しかし、大切なことは、トランプ氏をはじめ、第三国のキーパーソンに誤解が生じないように「慰安婦制度とは何だったのか?」を明確な立論を持って説明することである。
国の名誉を守るのに、反発を恐れてはいけない。謝ってばかりでは、犯罪者認定されてしまうのがオチである。「罪を認めるなら責任を取れ、もっと賠償しろ」と言われ続けるのが国際社会の常識だ。ゆめゆめトランプ氏に、あのオバマ前大統領のように「何が起きたのか、正確で明快な説明が必要だ」と言わせてしまってはならない。
http://www.sankei.com/premium/news/171201/prm1712010011-n1.html 12/3(抜粋、全文リンク
慰安婦問題 日本はいつまで「土下座外交」を続けるのか 山岡鉄秀
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