今年韓国の自動車輸出額が過去最大を更新しているが、中古車を除けば昨年より減ったことがわかった。韓国産業通商部によると、韓国の1~9月の自動車輸出は前年同期比2.2%増加した540億8500万ドルだ。だが中古車輸出を除いた新車輸出は476億500万ドルで3.2%減少した。
先月の自動車輸出額は64億ドルで、9月としては過去最大の実績だが操業日数増加の効果を除いた1日平均車両輸出額は2億6600万ドルで前年同月より2.7%減少した。これに対し同じ期間に中古車輸出額は64億8000万ドルで74.7%増えた。1日平均基準では92.7%の増加だ。
類例のない中古車輸出の好況はシリア内戦終了にともなう輸出再開と、ロシアとウクライナの戦争にともなう迂回輸出需要など「戦争特需」のためだ。ロシアに対する迂回輸出ルートに挙げられるキルギスタンへの月平均輸出台数は2023年が4251台、2024年が6713台、2025年が9944台だ。
問題は国内生産誘発効果が限定的な点だ。韓国貿易協会によると、昨年の自動車輸出の生産誘発額は2365億ドルで半導体の1854億ドルを上回った。だが中古車はすでに生産された車が海外に出て行く構造のためこうした効果がほとんどない。
前途は険しい。米国の自動車市場で韓国の競争相手となる日本と欧州連合(EU)は自動車品目関税15%を適用されている。これに対し韓国は「3500億ドル対米投資パッケージ」に対する溝が埋まらず25%の品目関税を適用されている。現代・起亜自動車はシェア維持に向けあらかじめ米国に輸入しておいた在庫などを活用して価格を引き上げずにいるが、日本・EUとの関税格差が長期間続く場合には利益低下などが避けられない。韓国中古車流通研究所のシン・ヒョンド所長は「ロシアが中古車に対する税金を引き上げた上に、韓国車が多く輸出されるヨルダンでも輸入規制が厳しくなっており、中古車輸出が今後減少する可能性も高い」と話した。
「過去最大」の自動車輸出よく見ると…中古車除けば「マイナス成長」
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