韓国人の英語恐怖症はひどいものだった。英語さえ聞こえれば気後れして言葉に詰まる。国際的な行事に出られず、様子をうかがってばかりいる人が多かった。「一言も話さず(silent)」「ぎこちなくほほ笑んで(smile)」「居眠りする(sleep)」ことから「3S」と呼ばれた。国際的な行事で会場の隅っこにいると、日本人が先に来ていたという話もある。
韓国の歴代の大統領たちも英語を避けていた。朴正熙(パク・チョンヒ〉元大統領と金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は英語がほとんど話せなかった。「How are you?(お元気ですか)」と言うべきところを、間違って発音して米大統領に「Who are you?(あなたは誰ですか)」と言ったという失礼なケースもあった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は英語を使わなかった。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は国際会議の時、外国の首脳との交流が苦手だった。首脳たちだけの儀典行事に参加しないことも数回あった。トランプ前米大統領が首脳会談で通訳に「あの人は私の言うことを聞き取れないから早く通訳しろ」と言った時も、文前大統領は笑ってばかりいた。
米プリンストン大学の博士号を持つ李承晩(イ・スンマン)元大統領は英語が最も堪能な韓国の大統領だった。(米国人宣教師が作った)培材学堂(現:培材大学)の学生だった時、外国人客の前で英語のスピーチをした。死刑宣告を受けて投獄された時は一人で英語の辞典を書いた。米議会で韓国の大統領としては初めて英語で演説した。李明博(イ・ミョンバク)元大統領は公の場で演説をするほどではなかったが、実戦的な英語で首脳らと意思疎通を図るのには問題がなかった。金大中(キム・デジュン)元大統領は年を取ってから英語を学び、折に触れて英語で演説をしたが、米国人たちはよく聞き取れなかったという。外国語の素質がある朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領も米議会で英語で演説した。
今や国際舞台で韓国人が「借りてきた猫」だった時代に別れを告げる時が来た。
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萬物相】英語恐怖症に別れを告げる韓国
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