韓国人が「見捨てられ」を恐れ始めた。台湾有事となれば北朝鮮が韓国を挑発する可能性が一気に高まる。その時、米国と日本は台湾支援にかかりきりになっているのだ。「一人で戦え」と突き放される隣国は核武装に走ると韓国観察者の鈴置高史氏は読む。
鈴置:韓国人は台湾が中国の支配下に入ることは気にもとめません。半導体産業で競合関係にある台湾が攻撃されれば、韓国の得になる――と考える人さえいます。
韓国人がハタ、と気付いたのは台湾有事の際、北朝鮮が韓国に挑発を仕掛ける可能性がぐんと増すことです。北朝鮮をそそのかして第2戦線を開かせれば、米国の台湾支援がおろそかになると中国が考えるからです。でも、その時は米国の韓国防衛が手薄になっている。
韓国の「新たな危機」を訴えたのが朝鮮日報の楊相勲主筆の「我が国の戦闘機の50%が消滅した後に戦争が始まるだろう」です。
いかなる形であれ、半島に緊張が走った瞬間、在韓米空軍は戦闘機などほぼすべての航空機をいったん日本に移すと見られています。
――韓国も空軍機を日本に退避させたいでしょうね。日本は韓国空軍機の緊急退避を受け入れるのでしょうか。
鈴置:受け入れません。まず、それを可能にする法的な取り決めがありません。
――韓国人には「嫌われている」との自覚はあるのでしょうか。
鈴置:楊相勲主筆にはあるようです。彼の記事には「有事の際に日本が韓国を助けるだろうか」と韓国人に問いかけるくだりがあります。
ただ、厳しい現実認識を持つ韓国人は多くない。典型的なのが外交部です。「徴用工」問題ではまだ、日本政府に謝罪させようとか、日本企業にカネを出させようとか、どさくさにまぎれて「日本の植民地支配は違法だった」と認めさせようと小細工を弄しています。
韓国紙はしきりに「日本政府が徴用工らの求償権の放棄を求めているが、これには韓国政府が難色を示している」と書きます。これも罠です。韓国側に求償権を放棄させるということは、日本側に一時は債務が存在したことを日本政府が認めたことになるのです。
――韓国軍はどう考えているのでしょうか。
鈴置:軍人の中には危機的な状況を十二分に認識している人もいます。そして、彼らの答は核武装です。
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/02011700
台湾有事が引き起こす第2次朝鮮戦争 米日の助けなしで韓国軍は国を守れるのか
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