韓国の寺が主張する通り、仏像は600年余り前に倭寇によって略奪された可能性もある。二審も「略奪があった状況と蓋然性がある」とした。しかし、推定にすぎず、立証されていない。文化財庁も6年前、「蓋然性はあるが確証はない」と述べた。略奪が事実だとしても500-600年余り前に起きたことを理由に現所有者の所有権を奪うことが法的に可能なのかも疑問だ。二審は「盗難に遭うまで日本の寺が(宗教法人設立から)60年間仏像を占有し、取得時効20年が成立しており、所有権が認められる」と指摘した。韓国の地で作られた仏像を返すことは残念で、仏教界の反発も理解できるが、世界中が見守る中で窃盗行為を正当化することはできない。
実際この問題は法律ではなく常識で誰でも判断できる案件だ。ところが、韓国の寺が「仏像が日本に行った経緯が明らかになるまで返すな」という仮処分を申し立て、判事がそれを受け入れる事態となった。さらに17年、一審は600年余り前に略奪があったという状況と蓋然性だけに基づき、日本の寺の所有権を否定した。
現在高麗時代の仏画の多くは外国にある。相当数は米国の所蔵だ。そのうちのいくつかは略奪されたかもしれない。しかし、窃盗犯が米国からそんな仏画を盗んできても「韓国の物だ」という判決を下す判事がいるだろうか。相手が日本なら、どんな強引な判決を下しても「愛国」判事として扱われるのだろうか。法理ではなくポピュリズムによる判決と言わざるを得ない。韓国の裁判所では、そんな判決が1、2件にとどまらない。その間、韓日の文化交流は中断され、世界の文化界で韓国は盗品すら返さない国と評された。傷を負って被害を受けたのは韓国だ。
https://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2023020380018
日本から盗んだ盗品を返さなかった10年、被害を受けたのは韓国
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