韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)南方の日本の排他的経済水域(EEZ)内で5月上旬、韓国国営企業が無許可の海洋調査を実施した疑いがあることが16日、政府関係者への取材で分かった。調査は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任したタイミングで実施され、林芳正外相は訪韓中だった。日本政府は事案自体を公表しておらず、抗議の有無も明らかになっていない。海洋安全保障面で周辺国につけ込まれる隙を与えかねず、日本政府には毅然(きぜん)とした対応が求められている。
今回、調査船が活動した海域に近い日本のEEZ内では今月5日、石油・天然ガス開発の国内最大手「INPEX」(インペックス)が天然ガスなどの商業生産化を調査する試掘を開始したばかり。国内でのエネルギーの安定調達など海洋権益の確保に向けた極めて重要な海域とされる。
調査は韓国国営企業から委託を受けたノルウェー船籍の調査船「ジオ・コーラル」が実施。インターネット上の船舶自動識別装置(AIS)の記録や関係者によると、調査船は竹島南方約100キロの海域で船尾からケーブルのようなものを引き、数十キロ以上の距離を直線的に低速力で航行。日韓の地理的中間線の日本側への侵入を繰り返した。
調査船は海中で音波を発生させてケーブルで反射波を観測するなど、地下構造や資源を探査した疑いがあるという。現場では海上保安庁の巡視船が無線のやり取りで委託元などについて聞き取り、「わが国の同意を得ない調査は認められない」と注意喚起した。
日本政府は外交ルートで活動内容の確認など「関心表明」を行ったとされる。ただ、調査船が活動したのは新大統領に尹氏が就任したタイミングで、日本からは就任式に出席するため林芳正外相が訪韓中だった。林氏は式典終了後、尹氏と会談し、岸田文雄首相の親書を手渡している。
韓国による日本のEEZ内での無許可調査について、海保は平成29年に竹島周辺で実施された2件を発表。平成30年以降の公表件数は0件が続いている。
https://www.sankei.com/article/20220516-EULIXSSN5BJ3DOJKMTGQSJ7UMU/
約束を守れない国
<独自>韓国、竹島南方EEZ内で無許可調査か
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