成長率が低下
韓国ではコロナ禍がなかなかおさまらず、月別の新規感染者数も2021年9月はこれまでで最も多い5万9899人となった。10月は若干おさまったがそれでも高水準であることには違いはない。
GDP成長率の内訳を需要項目別にみていくが、その前に主要な需要項目の寄与度を確認する。民間消費はマイナス0.1%、設備投資はマイナス0.2%、建設投資はマイナス0.4%と内需は軒並み経済成長率の足を引っ張っている。
一方、外需の寄与度は0.9%であり、今期は外需の押し上げ効果によって経済成長率がマイナスにならずにすんだ。そして外需は、輸出が増加したこともあるが、輸入が減少したこともプラス寄与に働いた要因である。
サービス消費が低調
ここから個別に需要項目をみていこう。まず民間消費であるが、0.3%の減少となった。前の期である4-6月期は3.6%増、その前の1-3月期は1.2%増であり、経済成長を下支えていたが、今回は足を引っ張ることとなった。
景気の先行指数も低調
次に「産業動向」から鉱工業生産指数をみてみよう。鉱工業生産指数は、7月は0.2%増であったものの、8月にはマイナス0.7%減、9月にはマイナス0.8%減となっている。鉱工業生産指数は2か月連続でマイナスとなり、3か月の平均増加率がマイナスとなると、景気が後退に転じた可能性を検討することから、この数値からは景気後退を疑うことが妥当な状況である。
コロナウィルスの感染拡大や世界的な車両向けの半導体不足が継続するとともに、政府が財政を積極化しない場合には、これまで順調に回復してきた韓国の景気は、再び後退する可能性が高い。韓国の景気は現在岐路に立っているようである。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/88983
韓国経済、ここへきて再び「深刻な景気後退」の局面に…背景にある「3つの要因」 数字から見えること
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