昔ながらの韓国料理は辛くない
あの禍々しい新型コロナウイルスが大問題になる、少し前のことです。いつもラーメンは味噌ラーメンかとんこつラーメンにしますが、その日は、悪魔のいたずらか神のお導きか知りませんが、なぜか塩ラーメンを注文しました。
もちろん料理によって違いますが、一般論として、韓国で料理や味に関して「塩」の字を付けると、それはものすごくひどい味を示します。どこで何を間違えたのか、いまの韓国料理は辛さを売りにすることが多いですが、実は韓国料理の昔ながらの味は、具を煮て汁を出すことにあります。味がそんなに強いものでもありませんでした。
「塩スープ」は味がひどいという慣用表現
でも、最悪の場合、そんな適当なスープすら作れない人たちもいました。具を煮て汁を出す料理は、良い材料をいろいろ入れると様々な味を出すこともできますが、具として使える食材が無いと、美味しいかどうかを離れ、味そのものを出すことすら難しくなります。本当に量を増やす以外に、スープにする意味が無くなります。
身分制度があった頃は言うまでもなく、朝鮮戦争が終わり、韓国で首都ソウル一極集中の経済発展が行われた一九六〇~七〇年代にも、そういう食事しか出来ない人たちは大勢いました。その場合、仕方なく、少ない具のスープ料理に塩を入れて、味を出します。具だけではいくら煮ても味が出せないからです。
その圧倒的な不味さは強烈で、いまの韓国でも、「塩スープ(ソグムクック、소금국)」と言い、味がひどいという慣用表現として残っています。一言で、貧乏くさい味付けのことです。そうしたイメージのせいか、それとも単なる好みの問題なのかは分かりませんが、韓国では味が薄くて塩を入れないといけない一部のタン(湯)料理以外に、白い塩が食べ物と一緒に出てくることはほとんどありません。
https://president.jp/articles/-/50193
「翻訳することも難しい」韓国人が"塩ラーメン"を絶対に注文しない驚きの理由
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