韓国検察の論理は、「仏像が偽物だから浮石寺が所有していた本物とは違う」とのことだったが、韓国文化財庁の鑑定結果が「(結縁文を含め)仏像は本物」だったので、仕方なくこの論理をやめたのだ。
こうなったら、ある疑問が浮かぶしかない。韓国政府やその代理人である韓国検察は本当に仏像を日本に返す気があるのか?
先ず第1に、本物と認めるなら、そもそも2012年10月に釜山港を通じた通関行為が無効になり、前述のユネスコ条約も適用される。つまり、条約を違反して搬入された文化財なので韓国国内での訴訟対象にならないことを韓国検察は裁判官に主張しないといけない。
第2、2012年12月に窃盗団が逮捕され、仏像が押収された時から、2013年に浮石寺が日本への返還禁止を求める仮処分まで、韓国政府は日本への返還を迷っていたことだ。その後、仮処分の請求が受け入れられ、本裁判が始まり、9年間も日韓の火種となっていることだ。
第3に、「高麗国の浮石寺」が「大韓民国の浮石寺」とは法律的に違う存在であることに対して、韓国検察が裁判所にアピールしていないことだ。裁判では古地図の確認で「高麗国の浮石寺」と「大韓民国の浮石寺」が同一だとしている。しかし、次のことは無視されている。
仏像が奉安されてから62年後の1392年、高麗国が滅亡し儒教を重んじる朝鮮国が建国すると、仏教は弾圧された。高麗時代には13,000か所の仏教寺院があったが、朝鮮の第4代王で現在の1万ウォン紙幣にも登場する有名な「世宗大王」の治世になると、仏教寺院は36か所しか残らなかった。
つまり99%以上の寺が破壊され廃虚と化した。1400年代まで残った36か所の寺院ではない「高麗国の浮石寺」はその後の数百年間も寺院ではない状態となり、所有者も管理者もいなかったとのことだ。
韓国検察としては当然、1330年の記録に登場する「高麗国の浮石寺」が「大韓民国の浮石寺」とは継続性がなく、所有権を主張するには法理的に違う存在であることを裁判官に主張しないといけなかった。
このすべての現状を勘案すると、韓国政府や韓国検察は、仏像を日本に戻すことに対してあまり「やる気」がないようだ。
https://www.wowkorea.jp/news/Korea/2021/0918/10315588.html
<W解説>対馬で盗まれた仏像の「第2審」、韓国政府は日本に返還する気が本当にあるのか?
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