米国で活動する韓国系投資家のビル・ファン(ファン・ソングク)氏が起こした波紋が米国の証券市場を揺るがしている。ファン氏が運営するアルケゴスキャピタルが大規模投資損失によりウォール街の投資銀行で追加証拠金納付要求を通知されたためだ。アルケゴスが証拠金を払えずゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、クレディスイス、野村証券などが強制的に処分した株式は300億ドルに達する。
フィナンシャル・タイムズとブルームバーグなどによると、ファン氏は最高5倍のレバレッジを利用して積極的投資をしてきた。野村証券は「ある米国顧客との取引で20億ドルの損害が生じる可能性がある」と公開した。野村はこの顧客がアルケゴスと明らかにしてはいないが、ウォール・ストリート・ジャーナルは匿名の関係者の話としてアルケゴスと関連していると伝えた。29日のニューヨーク証券市場で野村証券の株価は前日より14%急落した。クレディスイスは「1-3月期の業績にかなり重大な影響を及ぼすだろう」という立場を出した。クレディスイスの株価は29日に11.5%下落した。両社の時価総額は1日で8兆ウォンほど減少した。
ウォール街では旧タイガー・マネジメント出身であるファン氏の投資スタイルが現在の金融システムの弱点を示すものという点で緊張している。米財務省と米連邦準備制度理事会(FRB)などが参加する金融安定監視委員会(FSOC)は31日に会議を招集した。バイデン米大統領就任後で初めてだ。主要議題は新型コロナウイルス以降のヘッジファンドの動きなどだ。今回の会議日程は事前に予定されていたものだが、アルケゴス問題と金融会社の損失も議論対象に上がる可能性がある。
ファン氏は昨年初めまで金融取引をできない身分だった。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、彼は2012年に内部情報を利用した取引をしたという容疑で有罪判決を受けた。当時1600万ドルを没収され4400万ドルの賠償金を支払った。その後昨年4月に米国証券取引委員会(SEC)が金融取引制限措置を解除しウォール街に再登場した。
https://japanese.joins.com/JArticle/277135
ウォール街揺るがした韓国系ビル・ファン…野村・クレディスイスの時価総額8兆ウォン蒸発
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