自国の美術品や工芸品が、海外の博物館や美術館のものとして展示されていることはよくあることだ。これに対し、展示にいたるまでの経緯を踏まえて「もとの国に返却すべきだ」と考えるコンゴの活動家がいる。ヨーロッパ中の博物館に押し入っては、アフリカ発の展示品を奪取する──そんな過激とも取れる運動を展開する活動家に英紙「ガーディアン」が取材した。
アフリカの美術品を求めて東奔西走
ムワズール・ディヤバンザ(Mwazulu Diyabanza)は、フランスにいる理由を隠さない。新型コロナウイルス感染症でヨーロッパのほとんどの博物館が閉鎖されていなければ、このコンゴの活動家は今頃、とある博物館にいたことだろう──植民地主義者によって大量略奪された品々を取り戻すために。
狙うのは大きな博物館だけではない。ディヤバンザらは小規模なギャラリー、個人のコレクションやオークションハウスでも活動を計画している。「盗まれた遺産や文化がある場所なら、どこでも介入していきます」と42歳の彼は言う。
パン・アフリカ運動「ヤンカ・ヌク(Yanka Nku)」のリーダーであるディヤバンザは、アフリカからヨーロッパに持ち去られた芸術や文化、全作品の回収に使命感を抱く。彼いわくこれは「積極的な外交」なのだという。(以下略)
https://courrier.jp/news/archives/235353/
奪ったモノを返せ─西洋の博物館から美術品を取り戻したいパン・アフリカ活動家
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