「台湾における嫌韓」を調査すると、まずこの二国の奇妙な国際的立ち位置が浮き彫りになった。冷戦下、台湾と韓国は軍事独裁(蒋介石=朴正熙)、反共主義、国連非加盟国、分断国家(両岸=南北)、日本統治時代を経験、という5つの項目で見事に共通している。この時代における韓国はアジアで唯一、台湾を国家として承認していた。「お互いに孤立した共通項をもつ国家」という親近感が背景にあった。
台湾政治大学で国際関係学の専門家である蔡教授に話を伺うことができた。教授はこのような冷戦期の「台韓関係」をきわめて友好的なもの、としたうえで、「恩讐」の原因となった大転換が訪れたと指摘する。1992年に行なわれた「台韓国交断絶」である。
当時、韓国の盧泰愚政権は「北方政策」と呼ばれる容共姿勢に転換していた。冷戦時代に敵対していた中国、ロシアなど共産圏の国々との国交を確立し、それまで「反共の砦」とまで謳われた国策を大転換したのだ。つまりこの年、韓国は台湾を切り捨てて中国を承認するのだが、ここには台湾人にとって忘れられぬ屈辱的エピソードが存在している。
「台韓国交断絶」の直前まで、韓国政府要人は台湾を訪問し「韓国が台湾を見捨てることは断じてない。われわれの友好関係は続く」と公式に表明し、台湾人は「ならば安心だ」と胸をなで下ろした。にもかかわらず、実際の断交は同年8月24日に電撃的に行なわれた。
とくにソウルにある駐韓台湾大使館は、韓国政府から「即日の強制退去」を言い渡され、大使館職員が泣く泣く青天白日旗を降ろし、着の身着のまま国外退去処分になった。国際慣習や礼儀を無視した韓国政府の強権によって、いっさいの台湾外交員が韓国から突然追放されたのである。
https://ironna.jp/article/562
韓国の最大のライバル台湾…大嫌韓時代を迎えている。
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