「シンゾー」の遺産を武器に外交・安保展開…高市総裁、タカ派から現実的アプローチへ軟着陸なるか
「知恵と強さを持った非常に尊敬されている人物だ」
米国のトランプ大統領は自民党の高市総裁の誕生を受け6日、SNSにこう書き込んだ。高市氏は7日、X(旧ツイッター)で「日米同盟をより一層強く、より豊かにするため、大統領と共に取り組むことを楽しみにしている」と返答した。SNS上ながら幸先の良いスタートとなり、周辺は「保守政治家としてウマが合うのではないか」と胸をなで下ろした。
高市氏にとって、今月28日で調整されているトランプ氏との首脳会談は最初の難関となる。トランプ氏は蜜月関係を築いた安倍晋三元首相を今も懐かしみ、「シンゾー」とたびたび口にする。安倍氏の政治的系譜を受け継いだ高市氏は、その遺産を武器に外交を展開したい考えだ。
総裁選のさなかには、米保守系政策研究機関「ハドソン研究所」が高市氏のインタビューを公開した。高市氏は安倍氏の名前を4度挙げ、「(日米は)最も緊密なパートナー。かつての安倍元総理とトランプ大統領の関係から続くものだ」と持ち上げた。安倍氏が掲げた「自由で開かれたインド太平洋」についても、「外交の柱として受け継ぎ、時代に合わせて更に進化させていく」と明言した。
一方、高市外交のアキレスけんになりかねないのが中国、韓国との関係だ。
安倍政権下で日韓関係は冷え込んだ。韓国の聯合ニュースは高市氏を「女性版安倍」と警戒し、改善が進んだ石破内閣と比べ「変化が生じる可能性がある」と伝えた。高市氏が日台関係重視の姿勢を鮮明にしていることに、台湾を「自国の一部」とみなす中国も警戒を強めている。
高市氏は総裁選後も、靖国神社参拝について「適時適切に判断する」と明言を避けているが、前回総裁選では参拝を明言していた。参拝すれば、中国、韓国のみならず、日米韓協力を重視するトランプ政権との関係悪化も避けられない。
安倍氏は中国と「戦略的互恵関係」を掲げるなど、現実主義的な面も併せ持っていた。外交・安全保障政策を巡って高市氏と議論になり、安倍氏がこうたしなめる場面もあったという。
自民党女性総裁 高市氏当選2日後にトランプ氏が祝意投稿「知恵と強さを持った非常に尊敬されている人物」
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