【ソウル時事】日韓国交正常化から60年を迎えた今、韓国の若者にとって、日本のアニメや漫画を愛好する「オタク」は、日本語のまま通じるほど当たり前の存在になった。禁じられていた日本文化がいかにして韓国社会に根付き、発展したのか。日本文化が専門の金孝真ソウル大日本研究所助教授に聞いた。
―1998年の開放まで日本の大衆文化は公式には禁止されていた。流入や発展の経緯は。
釜山など南東部では日本の電波が届くため、日本のテレビドラマを見ることができた。70年代には地上波テレビで日本の児童向けアニメが日本のものと明かさずに放映されていた。当時、韓国で日本のアニメを下請けとして制作していた歴史もある。
日本文化は海賊版として流入したが、80年代に著作権が世界的な問題になり、漫画などが正式なルートで輸入、出版された。90年代後半になってようやく公式に大衆文化が開放されたが、実際には(それ以前から韓国の人々は)日本文化を主体的に求め、禁止下でも積極的に輸入していた。
―現在の日本文化を巡る状況は。
特に(人気漫画の)キャラクター「ちいかわ」の人気が高いと感じるが、以前のようなストーリー型コンテンツよりもキャラクター中心になっている。グッズを求める傾向が強く、缶バッジやキーホルダーなどグッズ産業が活発化した。Jポップ人気も顕著だ。80年代から日本の大衆音楽は根強い人気があったが、(今は)ユーチューブの普及やアーティストが頻繁に韓国で公演するようになったことで、さらに存在感が増している。
日本のオタク文化の「スタイル」を取り入れたゲームなどが(韓国で)作られ、それが日本で人気を集めてもいる。90年代に日本の大衆文化がグローバルに認知され、今や「日本風」が一つのトレンドとして韓国を含め世界で人気を得るようになっている。
―日韓の政治・外交の変化と文化の関係についてはどう考えるか。
最近は、両国が対等になったという考えの下、問題があっても政治と文化を分離する傾向は強くなっている。ただ、韓国の政権が日本にどのような態度を取るかが、韓国社会の主流の認識に影響を与えているのは確か。政治には互いに嫌悪に向かわないような努力が求められる。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025062300653&g=int
「日本」が今やトレンドに 漫画・音楽、禁止下でも普及―韓国専門家
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