日印両政府はインドのモディ首相が8月下旬にも来日し、石破茂首相と会談する方向で調整に入った。インド西部で建設中の高速鉄道に、JR東日本が開発を進める東北新幹線の新型車両「E10系」を採用することで合意する見通しだ。海洋進出を強める中国を念頭に、2008年に署名した「安全保障協力に関する共同宣言」の改定も検討している。複数の外交筋が21日、明らかにした。
モディ氏が来日すれば、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に招待された23年5月以来となる。今秋には米国とオーストラリアを加えた4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合がインドで開催される予定で、両首脳が意思疎通を深める狙いもある。
高速鉄道は、西部アーメダバードとムンバイ間の総延長約500キロを約2時間で結ぶ計画。日印協力を象徴する事業とされ、日本の新幹線方式を採用する。JR東は27年秋以降のE10系車両の完成と、30年度の営業運転開始を目指している。【独自】石破総理 29日にインド・モディ首相と会談 インド初の高速鉄道計画に新幹線新型車両導入で合意の見通し 共に東北新幹線で宮城県訪問も
石破総理は、今月29日に日本でインドのモディ首相と会談し、インド初の高速鉄道計画に新幹線の新型車両を導入することで合意する見通しであることが分かりました。その後、共に新幹線で宮城県を訪れる方向で調整しているということです。
複数の政府関係者によりますと、今月29日、インドのモディ首相が総理官邸を訪れ、石破総理と首脳会談を行う方向で調整しているということです。
会談では、JR東日本が開発を進める2030年度に導入予定の東北新幹線の新型車両「E10系」について、新幹線方式を採用したインド初の高速鉄道計画でもほぼ同じ時期に導入することで合意する方向で調整が進められています。
また、30日には両首脳が連れ立って東北新幹線で宮城県に向かうことも予定されているということです。巨大市場・インドに日本企業が高い関心、経済フォーラムに主要企業のトップ同行
【ニューデリー=井戸田崇志】ニューデリーで2日に開かれた「日印合同経済フォーラム」には、両国から産業界のリーダーや政府関係者ら約700人が参加した。日本からは主要企業のトップが顔をそろえ、巨大市場・インドへの関心の高さが浮き彫りになった。
旺盛な内需を取り込もうと、日本企業はインドへの投資を拡大している。インドも高い技術力を持つ日本企業の誘致に積極的で、日印の経済関係強化への機運は高まっている。
フォーラムで行われたエネルギー・重要鉱物がテーマの討議には、インドで再生可能エネルギー由来の水素を原料とする「グリーンアンモニア」の製造に取り組むIHIの井手博社長が参加。井手氏は「化石燃料から転換しなければならない」と述べ、エネルギー源の多角化に向け、両国の協力の必要性を強調した。
インドは世界最多の14億人超の人口を抱え、2025年度の実質国内総生産(GDP)は前年度比7・7%増と高い経済成長が続いている。新車販売シェア(占有率)で首位の約4割を占めるスズキや、トヨタ自動車が新工場を建設するなど大型投資が相次ぎ、日本への期待は大きい。
日本の財務省によると、25年の日本のインドへの直接投資額は前年比35%増の1兆1400億円だった。豊田通商の今井斗志光社長は、「インドで自動車や電機、鉄鋼、レアアース(希土類)精製など様々な日本の産業クラスター(群)ができる」と見込む。
インドはアフリカへの輸出拠点にもなる。スズキや空調大手のダイキン工業などは、インドの生産拠点からアフリカへの輸出を拡充しており、モディ政権もこの動きを後押しする。
モディ政権は製造業の振興策「メイク・イン・インディア」を掲げ、工業製品などに不可欠な半導体産業の振興に注力する。日本企業の進出も広がりつつあり、日本にとっても、インドで産業集積が進めば半導体の安定確保につながる。
フォーラムに協力した読売新聞東京本社の南砂・常務は閉会のあいさつで、「昨年、モディ首相が訪日された際、老川祥一・読売新聞グループ本社会長・主筆に対しシンポジウムをインドで開催してほしいとの提案を頂き、役割を果たすことができた。日印関係をさらに深めていくことが重要だ」と述べた。高市首相訪問でも成果出ず「インド新幹線」の失敗 安全の要である信号システムから排除された日本
https://news.yahoo.co.jp/articles/be81d6df8b9591746dc4af7ff566e878f4ffa653?page=2
日本製の車両価格が下がらないことに端を発し、新幹線の車両・信号技術の導入が覆る可能性が浮上、それが現実となり日本側は窮地に追い込まれている。
もともと車両は東北新幹線E5系をベースに設計変更するはずだった。その運転を支える信号システムも、東北新幹線のDS-ATCがベースである。インドでは鉄道車両の調達は国際競争入札が原則であるが、E5系の車両メーカーは日本の2社しか存在しない。したがって、調達は随意契約のような形にならざるを得ず、見積価格がインド側の想定から乖離して進展が滞ってきた。
信号通信については同様の事情のほかに、インド側が求める国際規格との整合性や第三者認証の可否などがネックとなり進展しなかった。このように高速鉄道の顔である車両と、安全の要となる信号が宙に浮いた状態で推移してきた。
■車両に関するインド側の方針転換
MAHSRを起工した2017年の段階では、インドの長距離列車は全て機関車が客車を牽引する動力集中方式だった。その中には最高速度が時速160km対応のものもあったが、最高速度が時速300kmを超える領域になるとブレーキの制約から動力集中方式は難しく、日本の新幹線のような動力分散方式とする必要がある。MAHSRはまずE5系ベースの日本製高速車両で開業し、その後に“Make in India(メイク・イン・インディア)”の方針に則り、日本から高速車両製造の技術移転を受け、段階的に高速車両の国産化を図っていく計画だった。かつてメトロの車両は韓国から技術移転を受けたが、高速車両は日本から技術移転を受けるシナリオである。>>4
MAHSRの事業主体である高速鉄道公社(NHSRCL)には、信号システムに決定権を持つK氏というやり手の役員がいる。彼は当初から国際規格との整合性や第三者認証を求めていたが、新幹線のDS-ATCはそれらにまったく対応していない。日本の新幹線は60年以上、鉄道事業者の責任による乗客の死者がゼロという実績が強調されるが、それはあくまで日本の尺度であって、海外ではそれだけで高評価が得られるとは限らない。軌道や電力などが新幹線での実績重視で決定が早かったのとは対照的に、信号システムは遅々として進展が見られなかった。
2025年1月、NHSRCLはMAHSR全線を対象とした信号通信パッケージの入札を公示した。それには欧州の信号システムであるETCS-L2を明記、試運転を実施するための仮設ではなく本設なので、日本のDS-ATCは一切採用しないことを意味する。なぜなら、同一路線に2つの信号システムを併設することなどあり得ないからである。
筆者はこれに対して、当然のことながら日本政府は横槍を入れるものと理解していたが、どうやら何も反論しなかったようである。2015年に日印両国政府間で署名された協力覚書を反故にしたインド側の理不尽な対応に対して、日本側が反論しなければそれを認めたことになる。>>5
そして2025年3月に入札が締め切られ、インド企業とコンソーシアムを組んだドイツ(DRAおよびシーメンス)とフランス(アルストムおよびL&T)の一騎打ちになった。その結果として2025年5月、シーメンス連合がアルストム連合の3分の1という破格の安値で落札した。 その後の契約がどうなったか知らないが、入札結果が出た時点で、筆者は日本製の車両や信号システムが導入される可能性はほぼなくなったと思った。筆者はインドでつたない経験しかないが、インド人との交渉は黙った方が負けることくらいは知っている。政府間交渉でのやり取りは知る由もないが、ここは絶対に譲れないという一線が正しく認識されていたとは思えない。 当然のことながら、欧州式信号の調達は円借款の対象ではない。日本政府の関係者は、円借款の対象外だから口を出すべきではないと判断した可能性がある。インド側は賢く、日本の技術を採用しないと明言すれば横槍が入るので、輸出向け標準軌車両の試運転を口実に入札を公示したのではないか? 筆者のように鉄道業界で40年以上仕事をしていれば、その入札イコール日本式信号排除と瞬時に判断できるが、日本政府の交渉担当者がその意味を理解していたか。その結果はMAHSRにとどまらず、今後のインド高速鉄道の標準システムから日本の技術が排除され、国益を大きく損なうことを意味している。
インド、東北新幹線の新型導入へ モディ首相、8月来日を調整
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