韓国経済はいま内外の危機の中で方向を失っている。
中では消費萎縮、家計負債急増、少子高齢化、青年失業増加、不動産不安という構造的問題が積み重なっており、外では米国発の保護貿易主義強化、世界供給網再編、技術障壁拡散という激しい荒波が押し寄せている。
内部亀裂と外部衝撃が同時に訪れた2025年の韓国経済は「内憂外患」そのものだ。かつて高速成長を持続してきた韓国経済は「成長」という言葉よりは「生き残り」という単語がより似合うことになった。問題はこの危機が一時的な衝撃ではない点だ。構造的かつ複合的であり、「すでに始まった未来」だ。
1-3月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前四半期比0.2%のマイナス成長となった。3四半期ぶりのマイナス成長で、4四半期連続で0.1%を超えられない低成長状態が続いている。
建設投資は3.1%、民間消費は0.1%減り内需全般が萎縮した。内需不振は自営業者を袋小路に追い込んでいる。
ここに雇用二極化と資産二極化がますます激しくなっている。就職をあきらめる青年が大きく膨らみ家計負債は雪だるま式に増えている。
世界市場で韓国の主力産業は急速に競争力を失っている。
この10年間で半導体や自動車など8大主力産業のシェアは軒並み縮小している。半導体DRAM市場シェアは10年前の81.5%から今年は75.9%に減った。同じ期間に自動車は2.6ポイント、スマートフォンは3.8ポイント減った。二次電池の1-3月期シェアは18.7%で5年前の半分水準だ。
韓国銀行は民間負債急増、人口高齢化、産業競争力低下の3種類の構造変化が「失われた20年」を招いた日本の経済構造に似ていきつつあると最近診断した。いま韓国経済は徐々に温められる水の中にいるカエルのように危機に慣れている。
このまま行けば未来の韓国経済はどんな姿だろうか。「主力産業が競争力を失い、高齢化で内需は枯れていき、青年はより良い暮らしを求めて海外に流出する国」にならないだろうか。
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【コラム】5年後の韓国経済
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