①バードストライクでなぜ車輪が出なかったのか
専門家はバードストライクでエンジンに問題が生じた場合、航空機のさまざまな機能が連鎖的にまひする可能性もあると説明している。匿名の現職機長は「エンジンに故障が生じた場合、着陸装置も作動しない可能性がある」と指摘した。だが、また別の航空専門家や国土交通部の立は「バードストライクと車輪が下りなかったことに関連性はほとんどない」との見方だ。国土交通部は記者会見で「通常エンジン故障と着陸装置の故障が相互に連動することはない」と説明した。より精密な調査が求められる。
②手動でも下ろすことができた車輪
現役操縦士は「手動でレバーを引くとロックが解除され、重力で車輪が下りる。車輪が下りなかったという事実が理解し難い」と話した。また別の操縦士は「マニュアルには手動で着陸装置が作動するのに17~18秒かかると書かれているが、実際にやってみるともっと早く下りる」と指摘した。
③海上ではなくなぜ硬い滑走路に胴体着陸を試みたのか
胴体着陸が避けられなかったとしても、その場所がなぜ硬い滑走路だったのかという疑問を投げかける人も多い。務安空港の周辺には海があり、滑走路周辺には芝生などもあったからだ。一部には通称「ハドソン川の奇跡」と呼ばれる2009年のUSエアウェイズ不時着水事故を思い出し、なぜ海に降下しようとしなかったのかという疑問を指摘する声もある。
④滑走路上に火災を防ぐ物質をまいたり、消防隊を待機させたりできなかったのか
今回の事故ではそうした事前措置はなかった。匿名の現役操縦士は「胴体着陸前に管制塔と意思疎通ができていれば、消防車が航空機の着陸と同時に接近し、火災が起きれば、直ちに鎮圧をすることになる」と話した。航空大のイ・ユンチョル教授は「胴体着陸をする場合、十分に旋回して残った燃料を減らし、最も低い速度で着陸しなければならないが、今回はそうした余裕さえなかったとみられる」と指摘した。
⑤着陸後になぜ減速できなかったのか
航空機には3つのブレーキがある。 着陸装置、スピードブレーキ、エンジンの逆噴射だ。このうち確認されているのは、着陸装置が作動しなかったことだけだ。着陸装置は着陸時の衝撃を軽減すると同時にブレーキの役割も果たす。
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「着陸装置は手動で下ろせるはず」 韓国・務安空港事故、5つの疑問点
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