ほんの1世紀前まで、韓半島は希望を見いだすために脱出しなければならない場所だった。1900年代初め、この地の若者たちは生きる道を探してハワイのサトウキビ農場へと向かった。その若者たちから送られてきた写真1枚で結婚を決め、より良い未来を夢見て移民船に乗った女性たちを「写真花嫁」と呼んだ。「韓国脱出」は我が国の小説や映画の主要なテーマでもあった。イ・ミンジン(ミン・ジン・リー)の小説『パチンコ』やチョン・イサク(リー・アイザック・チョン)監督の映画『ミナリ』に登場する「根を失った韓国系移民の生きざま」はわずか半世紀前まで私たちの姿そのものだった。
今は正反対だ。韓国では昨年、移民の増加率が50.9%で経済協力開発機構(OECD)基準で世界2位だったと海外メディアで報じられた。移民者全体の数は米国(118万人)が圧倒的1位だが、移民の増加スピードに限れば、韓国は増加率52%の英国とほぼ同水準だ。外国人の入国者数が韓国人の出国者数よりも12万人多いという統計もある。これは、韓国が「脱出したい国」から「行って住みたい国」へと変わったという意味だ。
(中略)
昨年、韓国に住む外国人の割合が4.8%に達した。専門家らは、本格的な開放国家の道を歩み始めた証だと指摘する。公共の場所でヒジャブ(イスラム教徒の女性が髪や首を覆うために着用するスカーフ)着用禁止を巡って論争が起きたフランスのように、これまで見られなかった問題が起きる可能性もある。どんなことが起きようと、半世紀前までは我々が想像もできなかった未来だ。我々の祖父や父の世代が流した血と汗がなければ、こんな未来は不可能だったはずだ。しかし、全てがバラ色という訳ではない。チャン・ガンミョンの小説『韓国が嫌いで』には、チャンスの扉が閉ざされて就職や結婚、マイホームといった未来を夢見ることができず、オーストラリアへと向かう若者たちの挫折が描かれている。全ての人が希望を夢見ることができてこそ、「本当に住みたい韓国」になるはずだ。
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/11/22/2024112280124.html
「韓国に住みたい」 移民の増加率50.9%…OECD基準で世界2位
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