群馬県の山本一太知事は25日の定例会見で、高崎市の県立公園「群馬の森」にある朝鮮人追悼碑を行政代執行で29日から撤去することについて「碑文や設置の趣旨に問題があるといったことではなく、設置の際に定めたルールに反したことがすべてだ」と語った。そのうえで、「最高裁まで審議して下された決定に従い粛々と処理する」と従来の立場を強調した。
今回の代執行のタイミングについての質問には「担当部は『もっと早く進めたい』との意向だったが、私から、もう少し丁寧に(撤去後の)代替地の提案も含め期間を延長して交渉するよう要請した」と経緯を説明。「(ルール違反と司法判断に従わない)公益に反した状況が続いているわけで、ここまでが限界」との認識を示した。
設置の際に決めたルールとは「政治的行事を行わない」との条件だったが、その後の追悼式で出席者が「強制連行の事実を訴えたい」などと発言。条件に反したとして県は更新を認めず市民団体が不許可処分取り消しなどを求めたが、令和4年6月、最高裁は市民団体の上告を棄却、「式で『強制連行』という文言を含む政治的発言があり、碑は中立的性格を失った」とする高裁判決が確定した。
これを受けた交渉も平行線をたどり、市民団体側は新たに碑の撤去命令の執行停止を求める訴えなどを起こしたが、うち2件がすでに却下されている。
山本知事は「追悼碑は現在、静かにたたずんでいる」とする市民団体側の主張にも「静かにたたずんでいるのなら、そもそも裁判にはならない。最高裁まで行った以上、その決定に従う」と繰り返した。
代執行の期間は2月11日まで。この間、県は臨時閉園にして撤去作業を行う。
https://www.sankei.com/article/20240125-W37BTKAZWJO43OQK4ESIQQR2YA/
「ルールに反したことがすべて」群馬の山本知事、朝鮮人追悼碑撤去で
162
ツイートLINEお気に入り
1243