- 事実関係と法理を優先すべき弁護士たちが「不穏な意図」などと言ってそれを前面に掲げたことはさておき、23年前の報道機関の記者の取材が訴訟を念頭に置いた行動だったというような主張は、過度に非現実的で荒唐無稽だ。このような態度と主張は法廷でも続いた。 
 政府代理人団は人員を大幅に増強したが、準備はお粗末に見えた。グエン・ティ・タンさんが韓国軍の銃撃で負傷し、76人の村民が亡くなった1968年2月12日のフォンニィ・フォンニャット事件について、政府弁護団は「グエン・ティ・タンとその兄の陳述だけを聞いた」とおとしめた。だが、事件現場を直に目撃した村の住民、韓国兵、米兵など、数多くの人々の陳述が一審で提出されている。作戦を遂行した韓国軍の参戦軍人が自ら法廷で証言してもいる。政府代理人団はこれらの証拠を知らないか、わざと無視したのだ。
 賠償問題はひとまず置くにしても、政府代理人団の結論は基本的に「原告の主張は信用できない」というものだ。準備書面では、ベトナム側の資料は「共産党の資料」だから信じられないとも記している。この主張が正しいなら、グエン・ティ・タンさんをはじめとするフォンニィ・フォンニャット村の住民たちは、1968年2月12日の事件当日から組織的かつ知能的に口裏を合わせて56年間もうそをついてきた、ということになる。ハンギョレは2001年に現場を訪ね、そのようなうそによって大韓民国に対して国家賠償訴訟を起こすようあおり、ついにグエン・ティ・タンさんを韓国の裁判所にまで来させた、というわけだ。
 控訴審の裁判長は控訴理由をすべて聞いた後、「(政府代理人団は)各争点で争うという趣旨」、「証拠の信ぴょう性が重要だが、何をするつもりなのか」と問うた。政府代理人団は「証人を様々な方面で模索している。確定すれば証人を申請する」と述べた。原告側の代理人団は、政府代理人団の証人が決まれば、それに合わせて対応すると述べた。同日、参戦軍人団体「大韓民国枯葉剤戦友会」による裁判補助参加申請は認められなかった。控訴審は2月の裁判所の人事で判事の構成が変更される予定だ。次の口頭弁論は4月5日午前10時から。
 https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1125226.html
「ベトナム戦争での虐殺は全部うそ」と主張する韓国政府
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