韓国の大手新聞社の調査によると、若者の10人に3人が「韓国人でいるのが嫌だ」と考えている。東京国際大学の呉善花教授は「韓国社会は競争が厳しく、名門大学に入学できても3人に1人は就職に失敗している。大企業で働けても労働時間は長く、平均49.4歳で退職を迫られるため再就職にも苦労する。そうしたストレスに若者たちは苦しんでいる」という――。
ストレスの原因の一つに、韓国社会の競争の厳しさが挙げられます。韓国は世界でも有数の学歴社会で、大学進学率は約7割に達しています(*1)。中でも、ソウル大学校・高麗(コリョ)大学校・延世(ヨンセ)大学校という3つの名門校(頭文字を取って「SKY(スカイ)」と呼ばれます)を卒業した人と、そうでない人の間には天と地ほどの格差が存在しています。そのため、子どもたちは小さな頃から塾に通わされ、スパルタ教育を受けることになります。
1日に塾を2~3カ所ハシゴする子どもも珍しくなく、彼らは夜遅くまで必死に勉強を続けます。
名門大学に入ったところで全く安心はできません。この5年ほど、韓国における大学卒業者の就職率は60~65%の間で推移しており、3人に1人は就職できない状況です(*2)。それはSKYの卒業生も同様で、彼らでさえ6割後半から7割前半の就職率にとどまっているのです。厚生労働省調査による令和4年度の日本の大学卒業者の就職率が97.3%であるのと比べると、他にいろいろな要因があるにせよ、韓国の就職状況がいかに厳しいのか、おわかりいただけるでしょう。
運良く大企業に就職できてからも、さらに競争は続きます。
韓国労働者の年間労働時間はOECD加盟国の中でもトップクラスで長く、また出世争いともなれば相当に厳しいものがあります。その上、韓国の企業では平均49.4歳で退職を迫られるといわれています。韓国の年金制度はまだまだ十分ではないため、若くして会社から追い出された人たちは、再就職するか起業するかしてさらに稼ぎ続けることが求められ、またもや熾烈(しれつ)な争いに巻き込まれていくのです。
いっこうに終わらない競争を強いられ続けた結果、心を病む人は顕著に増えてきています。
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若者の3割が「韓国人でいるのが嫌だ」と嘆く…
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