数年前、唐突に5人の日本の教授から奇妙な電子メールを受け取ったことがある。後で分かったが、筆者だけでなく他の多くのドイツの教授にも同じ電子メールが送られていた。その内容は、第2次世界大戦当時、ドイツと日本が戦争犯罪を犯したというのは嘘であり、この歴史歪曲を正さなければならないという、とんでもない主張だった。当時、ドイツと日本はともに力を合わせて戦ったが、国連から戦争犯罪というレッテルを貼られ犠牲になったと言い張れば、ドイツの知識人たちに受け入れられるはずだと考えたようだ。
日本社会には、日帝と第2次大戦当時に犯した反人道的な犯罪を隠して自国の歴史を書き直そうとする反動的な過激主義勢力がいるということは、筆者も十分知っていた。だが、ナチの蛮行という歴史的事実を否定しろとか、自分たちのゆがんだ歴史修正主義に同調せよというような話にならない主張に直に接して、改めて驚かされた。高等教育を受けた恥知らずな人たちのあわれな自画像だ。
当時、5人の日本の教授がドイツの教授に電子メールを送った真の理由は、2020年9月末にベルリンに建てられた「平和の少女像」を撤去せよと扇動するためだった。数多くの少女と女性たちが、当時の日帝によって体系的かつ大規模に強制的な性暴力と殺人の被害を受けた戦争犯罪を想起させるベルリンの少女像は、こうした人たちにとっては邪魔なもののように感じられたのだろう。こうした人たちが、少女像を建てた市民活動家らを反日だとか親北朝鮮だといって罵る理由も、まさにここにある。
ドイツで韓日の歴史認識戦争を起こそうとする闘士は、こうした日本の右派の教授だけではない。日本の岸田文雄首相も、ドイツのオラフ・ショルツ首相に平和の少女像の撤去を2回も要求するほど執拗だった。
日本の右派はともかく、一部の韓国人もこうした深刻な歴史歪曲に同調しているという事実は、本当にショックなことだ。いわゆる「母親部隊」を筆頭とする韓国の右翼反動活動家たちは、昨年ドイツにやってきて、ベルリンの現地で少女像の撤去を要求するデモを行った。これらの人たちも同様に、「日本軍慰安婦」の強制売春は事実ではなく、そうした女性たちは戦争中の性的奴隷の被害者でないと強弁するなど、日本の教授らと同じような論理をドイツの国民と政府に表明した。
//ハンギョレ新聞社
ドイツで繰り広げられた韓日歴史戦争
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