台湾の対日交流窓口機関の台北駐日経済文化代表処は5日、「中華民国建国112年」を記念する双十節(建国記念日)の祝賀式典を都内のホテルで開き、北海道産のホタテを来場者への土産として配った。同代表処の謝長廷しゃちょうてい代表(駐日大使に相当)は、中国が日本産水産物を全面禁輸にしたことを念頭に「(日本の漁業者らへの)私たちの支援です」とあいさつした。
同代表処は、北海道長万部町の長万部漁協を通じてホタテの干し貝柱などを購入し、1500人分を用意した。謝氏は、中国が2021年に台湾産パイナップルの輸入を停止したことにも触れ、「日本と台湾による善の循環の具体的実践と言える」と述べた。
長万部漁協によると、噴火湾産のホタテは約7割が中国に輸出されていた。しかし東京電力福島第1原発処理水が海洋放出された8月下旬以降、中国への輸出ができなくなったため、価格が昨年の半分程度に下がった。同漁協の職員は「値段が下がっても、売れるかどうか分からない。台湾の支援はとてもうれしい」と歓迎した。
同漁協は長万部産ホタテのブランド「湾宝」の台湾への輸出を模索し、同代表処にも支援を求めていた。今回の式典に向けて代表処からホタテ購入の打診があったが、道南の長万部では干し貝柱は製造していないため、オホーツク産を用意して提供した。式典には日本の国会議員や企業関係者らが出席した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/282093
北海道のホタテを台湾が応援 式典の土産に「善の循環」 中国の日本産水産物禁輸を念頭
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