福島第一原発の近海では、法的基準値を超える放射性物質が検出される魚が相次いで見つかっている。5月にはセシウムが基準値の180倍のクロソイ、4月には基準値の12倍のアイナメが見つかっている。
セシウムまみれの魚が見つかるのはなぜだろうか。東電は「当該の魚が1~4号取水路開渠(かいきょ)付近のセシウム濃度が高い場所に生息していたことが原因として考えられるが、理由を断定することは難しい」と答えた。その一方で「現在準備が進められているALPS処理水の海洋放出とは関係ありません」と説明した。
また、「セシウムに汚染されたクロソイ」が外に逃げないよう金属製の魚類移動防止網を取水路開渠に設置してあるとし、「当該のクロソイのような、5センチを超える体高・幅の魚類が開渠外に出ることは無いと考えています。また、港湾内では漁業は行われておらず、市場にも出荷されません」と強調した。
この説明を受け入れたとしても、原発事故発生から12年を経ても、魚の正確な汚染原因も把握しないまま、大量の汚染水を長期間にわたって海に流すということになる。5センチ未満の魚が汚染された場合は統制も難しい。
汚染水の放出が始まれば、韓国の水産業も直撃を受けることになる。
ハンギョレは、韓国水産業も大きな被害が予想されるが、周辺国の被害について賠償を検討する予定はあるのかを尋ねた。東京電力は「日本の法令に基づく規制基準等の遵守(じゅんしゅ)はもとより、国際法を厳格に遵守し、国際慣行を踏まえた措置をとってきており、人の健康及び海洋環境に悪影響を与えるような形での海洋放出を行うことはありません」と強調した。そして「周辺国に被害が生じるとは考えておりません」として拒否の意思を明確にした。
同じ「風評被害」が予想されるにもかかわらず、自国民には賠償し、隣国の国民に対しては「被害にあっていること」さえ認めないという態度だ。
「国籍」を理由として韓国人に対する戦後賠償・補償を拒否してきた日本の長年の病弊は、今も変わっていなかった。
http://japan.hani.co.kr/arti/international/47270.html
韓国漁業者に賠償?…東電「周辺国に被害が生じるとは考えていない」
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