先月30日午前11時、ソウル市冠岳区新林洞の多世帯住宅(集合住宅)の半地下階。この町では昨年8月の集中豪雨で半地下の家が浸水し、一家3人が脱出できなくなって命を落とした。ソウル市と冠岳区はこのような半地下階の窓の前に「止水板」を設置して浸水を防ぐと言っていたが、近隣の建物13カ所のうち止水板が設置された建物は1カ所もなかった。
止水板がない場合、雨水を流す「排水溝」が整備されていなければならないが、現実はそうではない。これらの建物がある路地の200メートルに排水溝が40カ所設置されているが、このうち27カ所(67.5%)は事実上、本来の機能を果たせていない状態だった。落ち葉や花びら、タバコの吸い殻や紙コップ、段ボールなどのゴミや泥が詰まっているのだ。
このような状況はソウル・江南駅一帯も同じだった。近くの道路には500メートルに排水溝が50カ所あるが、23カ所がゴミでふさがっていた。中にはタバコの吸い殻80本余り、木の葉、固まったティッシュ、使い捨てライター、ガムの包み紙などが詰まっている排水溝もあった。また、屋外用マットやゴムの板などで上部が覆われており、排水できない排水溝も10カ所あった。
ソウル市の各自治区には排水溝を定期的に清掃する担当員がいるが、清掃する回数が少なすぎると指摘されている。冠岳区では年1回、江南区では年2回だけ排水溝の清掃を実施しているという。これではゴミがたまる速さに比べ少なすぎる。
牧園大学消防安全学部のチェ・ジン教授は「都市部における浸水の主な発生原因は落ち葉・ゴミ・土砂などが詰まり、まともに機能しない下水施設だ」「本格的な梅雨となる6月中旬より前に必ず下水溝の整備作業をしなければならない」と語った。
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/06/03/2023060380012.html
昨年の豪雨で8人死亡したのに…ソウルの浸水現場、排水溝は今も「ゴミ詰まり」
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