経常収支の赤字転換や赤字幅決定の主要変数となった旅行収支の赤字が早いスピードで増えているが、韓国政府は手をこまねいているという指摘が出ている。『イカゲーム』やBTSなどKカルチャーが世界的に躍進し「旅行業の好条件」を迎えているが、いざ政府がこれをまともに活用できず韓国を訪問する外国人観光客の需要を牽引できずにいるためだ。
実際、観光戦略を立てなければならないコントロールタワーである韓国観光公社の社長席は5か月間空席で、文化・観光分野の代表研究機関である文化観光研究院は前任院長が7月に退任した後、席が空いている。弱り目に祟り目で、来年の観光部門は国家予算まで2000億ウォン程度減り「観光冷遇」という非難が殺到している。
このような中、外国人が韓国を訪れる割合は目立って鈍化している。法務部によると、8月の内国人乗客出国者は64万1429人で新型コロナウイルス感染症が発生する前の2019年8月の25.9%ほどまで上がったが、8月の外国人乗客入国者(22万9437人)は新型コロナウイルス感染症以前に比べて回復率が15.1%にとどまった。ある観光業界の関係者は「外国人に遺伝子増幅(PCR)検査は大きな障壁となる」とし「PCR検査の義務化さえなくなれば外国人観光客の需要が増えるだろう」と説明した。現在、韓国に入ってくる内・外国人は24時間以内にPCR検査を受けなければならない。特に法務部は東南アジアを含む112か国を対象に電子旅行許可(ETA)制度を導入し、かえって出入国手続きを厳しく変更した。漢陽(ハニャン)大学観光学部のイ・フン教授(韓国観光学会長)は「新型コロナウイルス事態以後、旅行業界から抜け出した人材が戻ってこない」として「観光エコシステム自体が崩壊した」と分析した。
日本と違って韓国の場合、かえって旅行産業により海外に流出する資金が韓国の対外健全性指標である経常収支の赤字をあおっているものと分析された。29日、韓国銀行によると韓国が物を売買して稼いだ成績表である商品収支は今年7月、10年3か月ぶりに初めて赤字(11億8000万ドル)に転じた。8月には全体経常収支も赤字に転換したという観測が広まっている。
https://japan.mk.co.kr/view.php?type=M1&category=30600004&year=2022&idx=14707
経常収支の安全弁なのに、ポストコロナ観光戦略のない韓国
67
ツイートLINEお気に入り
50
0