楽しみにしていた韓流アイドルショップめぐり
一人で並んでいた20代の会社員は腕時計を見ながら、やきもきしていた。10時半の出社時刻が押し迫っているからだ。彼女も年2回、韓国に遊びに行っていたが、コロナ禍でお預けを食らっていた一人。いつ再開するのかと、ニュースに目を配ってきたと話す。
「目当ては、向こうに住んでいる友人との再会と、大好きな女性アイドルグループ『RedVeivet』関連のショップめぐりです。ここまで長蛇の列ができるとは思っていなかったので、朝6時に来てよかった。こうなったら、遅刻も仕方ない。なんとか今日中にビザを取るつもりです」
列をじっくり見てみると、9割方が女性である。目的は、美容、グルメ、韓流アイドルなど多岐に渡るのだが、中にはこんな人も……。
「彼氏が韓国人で、8月から兵役に入るんです。だから、今のうちに会っておきたくて……。ただ、この行列を見て、会いに行けるか不安になってきました」
職員が女性に取り囲まれた
こう話すのは、20代女性会社員。彼女の前には500人以上も並んでおり、今日中の取得は厳しそうな気配だ。韓国大使館は、ビザ発給まで3~4週間かかるとして、1カ月以降の航空券を抑えなければならないと告知している。彼女が取った航空券は7月8日。あと一週間以内にビザを取得しなければならないのだが、この行列を見て、間に合うか不安になってきたのである。
しばらくすると、領事館職員が列を区切って、大声で呼びかけ始めた。
「申し訳ありません。今日は200人で締め切らせていただきます。ここから先の人はまた明日以降きてください」
あっという間に、職員は血相を変えた女性たちに取り囲まれた。
「えー! 私、6月のチケット買っちゃったんですが、間に合うんですか」「明日、何時に来れば、大丈夫なんですか」「並ばなくていい方法はないんですか!」
大パニックである。片道二時間で行けた隣国が、遠い国になってしまった。いつになったら、また気軽に遊びに行けるようになるのだろうか。
デイリー新潮編集部
https://news.yahoo.co.jp/articles/22ac03c1299a93caf22926c91a2efd68edc6c70a?page=1
韓国旅行再開で「観光ビザ」を求め領事館前に1000人集結の大パニック…徹夜組も出現
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