ところでこの本の出版が与える影響が小さくないことは、当然、予想されるところだ。五味氏が出版を打診したところ、正男氏は、
〈ご理解をお願いします。北朝鮮の政権が、私に危険をもたらす可能性もあります〉
と、今回の時期での出版について断っている。昨年大みそかのメールだった。
それでも出版に踏み切った真意について、五味氏はこう話す。
「彼の立場ならそうでしょう。ただ、北朝鮮が17年間統治した指導者を失い、どの方向に向かうかはっきりしない中で、長男の意見を広く世間に伝えるほうが意味があると考えました。さらにこの本を通じ、正男氏のイメージが変わり、多くの人が関心を持つようになれば、逆に正男氏にうかつなことはできなくなると思います」
「父・金正日と─」は発売前後から大反響を呼んだ。日本、韓国はもちろん、米国や英国、豪州など世界中のメディアから取材依頼が殺到しているという。
ところで今、正男氏は、どこでどうしているのか。
「本を出すなら、われわれの関係は終わりだ、と言っていました。本への反応はありませんが、たぶんどこかで入手して読むでしょう。そしてまた連絡してくれることを願います」(五味氏)
五味氏のメッセージに、正男氏が再び応えてくれることを期待したい。
ソース
http://www.asagei.com/excerpt/3582
金正男「殺されるから本は出さないでくれ」東京新聞の記者「出版しました」
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