兪弘濬教授の『私の文化遺産踏査記』は日本語でも翻訳出版され、韓国に関心がある日本人の中にはその本を読んだという人も少なくない。私も読んだ。兪教授が講演の際に朝鮮通信使の製述官として日本に行ってきた申維翰(シン・ユハン)の紀行文『海遊録』について説明するのを聞きながら、兪教授こそ現代の朝鮮通信使のようだと思った。申維翰は日本旅行の際に聞いた日本の官職制度、税法、軍事制度、経済状況、生活風習、そして直接見て体験した日本の風景、文人との交流経験などを生き生きと記録したという。
兪教授も韓国の地方だけでなく日本や中国に対しても『私の文化遺産踏査記』を通じさまざまな角度で伝えた。兪教授が紹介した『海遊録』の内容には「日本の料理は非常に簡素だ。食べ終わったら取り分けて食べるため残すことがない」と書いた部分がある。私はこの話を聞いて「昔もそうだったのだな」と思い笑った。
兪教授によると、朝鮮通信使の「通信使」という名前は「信頼が通じる」という意味だという。「過去の過ちに対する日本の率直な認定と朝鮮人捕虜の送還後に成立した善隣外交だった」とする。壬辰倭乱、丁酉災乱後の話だがいま学ぶべき部分のようだ。
日本で岸田文雄首相が就任し韓日関係が今後どのように変わるのか注目する人もいる。個人的には当面は大きな期待するのは難しいと考えるが、むしろ現代の朝鮮通信使のような若い世代がますます増えることに希望をかけたい。
https://s.japanese.joins.com/Jarticle/283713
【コラム】朝鮮通信使の善隣外交学び、韓日交流の糸口開かねば
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