昨年5月末、米国で黒人青年が白人警察官による暴行で亡くなってから、欧米各国では自国内の黒人に対する差別・偏見を解消しようという動きが出ている。人種差別に抗議する「ブラック・ライブズ・マター」のデモは、世界中に広がった。
この流れで、特に欧州各国で注目を浴びているのが、19世紀まで続いた奴隷貿易のむごさだ。
国連によると、15世紀から19世紀の間に、欧州主要国によって約1500万人がアフリカ大陸から拉致され、奴隷として米国や西インド諸島などに送られた(「大西洋奴隷貿易」)。奴隷たちは、過酷な条件の下、大規模農園(「プランテーション」)で働かされた。
今月中旬、英国の元植民地でこうした奴隷貿易の拠点の1つだったジャマイカが英国政府に対し、賠償金の支払いを求めていると複数の英メディアが報じた。
「私たちの祖先は強制的に自国から移動させられ、大英帝国に恩恵をもたらすために強制労働を強いられ、先例がない残虐行為に苦しんだ」。
賠償金の支払い要求はジャマイカの「賠償金全国カウンシル」から許可を受けた後、法務長官と司法チームによる認可を受ける。認可されれば、エリザベス英女王に書簡が送られることになるという。
英国が奴隷制度を禁止したのは1807年だが、ジャマイカで奴隷制度が停止されたのは1834年だった。
ヘンリー議員は、英政府がプランテーションの経営者に払った金額と同等の額となる76億ポンド(約1兆1000億円)が支払われるべきという。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_614a8a19e4b0175a1837ebb5
ジャマイカ、英国に対し奴隷制への賠償金の支払い求める
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