トルコの橋梁を韓国企業が受注したようです。おめでとうございます。
ただ、以下の朝鮮日報の記事はプロジェクトスキームを正しく反映してないように思います。
BOTですので、コンソーシアムが建設費を料金収入で回収した後にトルコに引き渡すPFIです。受注者は、引き渡す時期(コスト回収期間)で決定されたようです。
工事費に大きな差がないとのことですから、引き渡し期間に大きく影響するのは、「想定交通量(=料金収入)」と「SPCのプロジェクトファイナンスの金利」です。金利が日韓で大きくことなることはないと思うので、おそらく「想定交通量」の差でしょう。
韓国企業が1日あたり6万台と想定し、日本企業は5万台と想定すれば韓国企業の移転時期のほうが早くなります。ただ、4万5千台まではトルコの保証ですが、上乗せした1万5千台分の料金収入は韓国企業のリスクとなります。結局、「交通量のリスク」をどれだけとるかで落札者が決定されたことになります。意味合い的には、低価格入札によるコストオーバーランと同等のリスクを韓国企業が負ったことになります。本当に黒字だったかは、16年2か月後に判明するでしょう。
朝鮮日報の記事
工事費は3兆1000億ウォン(約3000億円)で、まずは受注者が建設費を負担し、完工後に通行料収入で建設費を回収して橋の所有権をトルコに引き渡す「建設・運営・譲渡(BOT)方式」だ。
入札に参加した企業は提案書で「工事費」ではなく「運営期間」を提示。最も短い運営期間を提示した企業が落札する形だった。入札で韓国のコンソーシアムは「16年2か月」を提案し、「17年10か月」を提案した日本のコンソーシアムを抑えた。しかし今回、低価格入札をめぐる論争は起きていない。トルコ政府が1日当たり4万5000台分の通行料を保障するのに加え、両サイドが算出した工事費にも大きな違いがないからだ。
韓国が受注したトルコの橋梁の事業スキームについて
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