以前3人の台湾人(全員20代の女性)が日本へ旅行でやって来たから、伊豆のあちこちに案内した。台湾は韓国と同じく日本に統治されていた時代がある。その期間は1895年から1945年だから、韓国よりも長い。それで台湾人にその時代の話を聞いたのだけど、つくづく韓国とは違った。
3人の台湾人も韓国の「反日」に驚く。
まず、台湾ではこの期間を「日治時期」と呼んでいる。
「日帝強制占領期間」という韓国の表現を伝えると、「本当ですか!韓国ではそんなふうに言うんですか」と目を大きくする。さらに、韓国ではポピュラーな「日帝残滓」という漢字を見せたら、3人とも意味がわからない。
韓国社会ではこれを除去する運動がよくある。台湾ではどうかと聞いたら、「そんなことはしません」と全員一致で否定。
1人が「日治時期の日本人というと、八田 与一(はった よいち)が思い浮かぶ」と言う。ほかの2人も「そうそう」とうなづく。
台湾の有名日本人、八田与一は不幸なことに日本ではあまり知られていない。
八田は日治時期、灌漑設備が不十分だった台南に「烏山頭ダム」という巨大な貯水池をつくって、住民にとても感謝された。
日帝強制占領期間中の韓国にも「柳宗悦(やなぎ むねよし)」という日本人がいたのだけど、いまの韓国史からは排除されている。
この人を知っている韓国人には会ったことがない。
韓国に尽くした日本人を排除することが、いまの「日帝残滓の駆逐」という発想につながっているからだ。
そんな台湾人に、「日帝の残滓を完全に清算し、地域の特色と自負心を高める」という韓国精神を話すと、台湾人とは価値観や考え方が違いすぎて引いていた。
いまの韓国の正義という反日行為には、台湾人もついていけない。
といってもこの3人が韓国を特段非難するというわけではなく、「それはわたしたちには分からない問題」という態度だった。
あとで別の年配の台湾人に話を聞いたら、40年ほど前の国民党時代には、日本の影響を社会から排除する動きがあったという。でも、いまの台湾人にそんな発想はない。
反日はしても、反中をしない韓国。そしてその反日を国際社会に求める韓国。
それは実ったか?日本に統治を受けた国すら韓国を理解できないのが事実だ。
韓国人は客観的にその事実をどう思うのか。
台湾人も「?」する韓国の反日
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