韓国を苦しめる安倍政権のレガシーが、前述の「自由で開かれたインド太平洋戦略」だ。
端的に言えばこの海域を「力や威圧と無縁で、自由と、法の支配、市場経済を重んじる場として育て、豊かにする」というもので、中国の一帯一路構想や南シナ海への拡張政策に対抗する「対中封じ込め策」だ。
アメリカのトランプ大統領は2017年8月、ベトナムで開催されたAPECで演説し、自由で開かれたインド太平洋戦略がアメリカの新たなアジア戦略になったと明確に示した。日本が提唱した外交戦略をアメリカが正面から採用するのは前代未聞の事だ。国際社会における日本の発言力やリーダーシップを大いに高める実績であり、まごう事なきレガシーだろう。米中の対立が一層深まる現在において、この戦略の重要性は増すばかりだ。
アメリカのビーガン国務副長官は8月31日、インド太平洋戦略の主要4カ国(クアッド/Quad)であるアメリカ、日本、オーストラリア、インドの枠組みを、NATO・北大西洋条約機構のような公式な国際機構にする構想を明らかにした。この発言は韓国で大きく報じられた。なぜなら、主要4カ国の「クアッド」を「クアッドプラス」の7カ国に拡大する構想も存在し、その追加メンバーが韓国、ベトナム、ニュージーランドだからだ。
韓国は地政学的にも参加する要件を満たしており、アメリカと軍事同盟を結んでいる以上、参加は当然の事のように見えるが、実情は簡単ではない。韓国は最大の貿易相手国である中国に経済的に大きく依存している上、文在寅政権の最重要課題である「北朝鮮との融和」実現のためには中国の協力が不可欠なのだ。つまり、中国の機嫌を損ねる事は出来ない。
中央日報は「中国を潜在的敵国とする地域安保機構(クアッド)の議論自体が不都合なものになるしかない」と、苦しい立場を表現している。安倍首相が生みの親である「自由で開かれたインド太平洋戦略」が深化すればするほど、韓国は米中の板挟みに苦しむ事になるのだ。
https://www.fnn.jp/articles/-/82200
おのれ安倍め! 安倍首相のレガシー「自由で開かれたインド太平洋戦略」で韓国はレッドチーム入か?
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