旧日本軍の従軍慰安婦だった女性の半生を描いた韓国の漫画「草」の日本語版が2月14日に出版され、作者の金ジェンドリ錦淑(グムスク)さん(48)がそれを記念して来日した。
「草」が取り上げたのは、元慰安婦らが入所する韓国「ナヌムの家」で暮らす李玉善(イ・オクソン)さん(92)だ。
金さんは李さんの部屋を訪ねてインタビューを重ね、李さんの現在と、中国に連行されて慰安婦にされた15歳当時や、戦後も故郷に帰れず、2000年まで中国で暮らした苦労を描いた。
「私たちが死ぬのを待っているのだろう」
その李玉善さんは、昨年10月に市民団体の招きで来日している。李さんの半生を追ったドキュメンタリー映画「まわり道」の上映会が川崎市で開かれ、筆者も取材した。
「まわり道」では、ナヌムの家に暮らす李さんら元慰安婦を、何年間もカメラが追う。元気に歌ったり踊ったり、時には怒ったり泣いたりするおばあさんたちだが、映画が進むうちに次々と他界していく。それを見つめる李さんのまなざしが悲しい。
上映前の記者会見に車いすで現れた李さん。「日本政府は私たちが死ぬのを待っているのだろうが、死んでもこの問題はなくならない。安倍(晋三首相)に会いたくて来た」と話した。
「日本が悪いことをしたのに『やっていない』と言う。その結果、今の韓日関係悪化がある。歴史の否定は許されない」と力を込める。
「強制連行ではなかった」 「金を稼いだ」など慰安婦制度を打ち消す言説があることに「自発的に慰安婦になっていたら、今も謝罪を求めているか。好んでなったのではなく、連れて行かれた」と反論した。
この頃「草」の日本語版出版に向けた作業が進行中だった。本について問われた李さんは「多くの人が私たちの歴史を知らないといけない。(漫画を読んで)日本だけでなく世界中の人に知ってほしい」と答えた。
これまでに何度も来日し、賠償と謝罪を求めてきたが、今回が年齢的にも体力的にもぎりぎりの来日だったように見えた。「私たちが死んでも解明しなければならない問題だ。若い人たちが私たちの遺志を継いでくれると信じている」。会見の最後をこう締めくくった。
https://this.kiji.is/605724519073203297
慰安婦反論 「強制連行ではない?売春だ?自発的に慰安婦になっていたら、今も謝罪を求めているか!」
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