韓国の科学界の人たちはノーベル賞授賞式が開かれる10月になると頭を上げられない。
国内総生産(GDP)比の国家研究開発予算は2015年基準1.21%で世界1位でありながらノーベル科学賞と縁がないという指摘を避けるのは難しいためだ。
隣国の日本がノーベル科学賞受賞者を輩出することにでもなれば科学界に向けられた非難のレベルはさらに強くなる。
昨年も全く同じだった。昨年初め、京都大学の本庶佑特別教授が昨年のノーベル生理学・医学賞の受賞者に選ばれたというニュースが伝えられると、すぐ「22対0」という見出しの論評があふれた。
日本と韓国のノーベル科学賞受賞者数が国家競争力の現住所を見せるというのが主な内容だった。
科学界の一部では「よちよち歩きをする子どもに駆け足を強要するようなもの」という声も出ている。
日本から学ばなくてはならないのは基礎科学に対する一貫した姿勢だ。2012年のノーベル生理学・医学賞受賞者である山中伸弥氏は1997年から2012年まで国から研究費を支援された。理化学研究所の研究陣が2016年に発見した113番目の元素(ニホニウム・Nh)の研究もやはり20年以上の長期プロジェクトの結果だ。
「代を継いだ」研究も少なくない。2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊東京大学名誉教授と2015年のノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章東京大学教授は中性子研究のための研究施設カミオカンデで師弟の縁を結んだ。
いま韓国に必要なことは基礎科学に対する確固とした哲学と地道な投資だ。なぜノーベル科学賞受賞者を輩出できないのかという叱咤は10~20年後にしても遅くない。
韓経:【コラム】韓国、ノーベル賞コンプレックスから抜け出せ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中央日報…韓国科学界の本音ノーベル賞受賞は「よちよち歩きをする子どもに駆け足を強要するようなもの」
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