韓国は今、大きな選択を迫られている。簡単にいえば、中国との経済的利益を優先するか、米国との戦略的関係を重視するかの選択だ。もう少し具体的に言えば、中国最大の通信機材・華為技術(ファーウェイ)との経済的関係を維持するか、トランプ米政権の反ファーウェイ陣営に入るかだ。その選択は文在寅政権にとって容易ではないのだ。
トランプ大統領はファーウェイが中国共産党政権の情報工作でスパイ活動的な役割を果たしているとして、自国のIT・通信企業にファーウェイとの取引を禁止させる一方、同盟国に対してもファーウェイ封じ込みに加わるように要請している。日本はトランプ政権の要請を受け、ファーウェイの公共事業への参加を禁止している。カナダ、オーストラリアを始め欧州でもファーウエイ警戒が高まっているが、韓国は、というと態度があいまいなのだ。もちろん、それなりの理由はある。
ファーウェイが世界市場から封鎖されれば、サムソンなど韓国製スマートフォンにとって市場シュアの奪回チャンスであり、販売数が増加することは考えられる。複数の通信事業者がファーウェイ製スマートフォンの新製品発売を先送りしている。サムスン株は米政府がファーウェイ封鎖策を発表して以来上昇している、という情報も報じられた。
しかし、それはコインの一面だけだ。ファーウェイは、サムスン製半導体メモリーの最大顧客だ。世界2位の半導体メモリーメーカーである韓国SKハイニックスの最大顧客もファーウェイだ。韓国にとって、中国が米国を大きく凌ぐ貿易相手国だ。昨年の貿易額では対中は全体の26.8%だったが、対米は12%にとどまっている(ロイター通信5月30日)。
だから、韓国が反ファーウェイ陣営に加われば、自身の最大顧客を失うことを意味する。ビジネスを優先すれば、ファーウェイが中国共産党政権のスパイ活動を支援しているという疑いだけで、最大のビジネス相手を捨てるわけにはいかないのだ。
それだけではない。中国共産党政権を怒らせれば、その報復が怖いのだ。 以下リンク先
http://agora-web.jp/archives/2039561.html
韓国が全てを失う危機
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