日韓関係が史上最悪となっているが、韓国メディアではさすがにこれ以上の悪化を防ぎ、関係改善に乗り出すべきだとの論調が増えてきた。しかし、その理由はもっぱら経済への影響が懸念されることに集中しており、北東アジアの安保情勢、北朝鮮の核・ミサイルへの対応などの観点が抜け落ちている。自分の尻に火が付き、熱を感じだしてから、ようやく対日関係を考え直そうというわけだ。しかし、それも日韓関係の根本的解決を図ろうというものではなく、経済損失を恐れて政府に泣き付くだけで、全くのご都合主義なのである。
韓国政府が「司法への不介入」を理由に放置している間に、事態はついに日本企業資産への強制執行(現金化)が秒読みとなってしまった。「政治が悪化しても経済関係は持続していた」と高をくくっていた韓国もようやく事態の深刻度が分かってきたようで、具体的な「損益計算」を国民に示し、政府に行動を促そうというわけだ。
同誌は「日本の報復措置による打撃が最も憂慮される部分は半導体産業だ」と指摘している。半導体は韓国輸出の20%を占める稼ぎ頭だが、部品・製造装備の多くは日本からの輸入に頼っている。韓国で代替できるものではなく、輸入先を他にシフトしてもコストが上がり、韓国製品の国際競争力は失われる。
車両用半導体も日本頼みだ。日本のルネサスエレクトロニクスは全世界の自動車用半導体占有率が40%にもなり、ハイブリッド電子制御とバッテリー電圧に特化した半導体を生産している。「日本からの輸入が中断されれば未来型自動車開発に支障が生じる」のだ。
石油化学は日本との資本協力・技術交流が重要だが、「最近、日本企業が動かない」として、この状況が続けば、「韓国三大輸出品の一つである化学製品分野の競争力が落ちる」と悲鳴を上げる。
このほか、鉄鋼板、自動車部品など、韓国の輸出を支える産業で日本の技術、部品は不可欠となっており、供給が止まることで韓国の輸出は大打撃を受けるのは避けられない。しかも、「傷を負うのは日本も」と国内向けに報じる韓国メディアだが、実際は対韓輸出の割合は小さく、日本企業が受ける影響はそれほど大きくない。
https://vpoint.jp/bus/136355.html
※破局的韓日関係/韓日通商対立損益計算表の元記事(韓国語)
日韓通商対立の損益計算 経済損失恐れ政府に泣き付く
57
ツイートLINEお気に入り
48
7