【ソウル=桜井紀雄】韓国でサムスンやロッテグループから巨額の賄賂を受け取ったとして、収賄などの罪に問われた前大統領、朴槿恵(パク・クネ)被告(65)の初公判が23日、ソウル中央地裁(金世潤=キム・セユン=裁判長)で始まった。
弁護人は「推論と想像に基づく起訴で、共謀関係が立証されていない」と主張。朴被告も「弁護人の立場と同じです」と述べ、18件に上る起訴内容を全面的に否認した。
今回の公判では、開廷前の撮影が許可された。紺のスーツ姿で入廷した朴被告は、被告人席に座ると、緊張した面持ちでじっと前を見すえた。後ろ髪を盛り上げるトレードマークの髪形は消え、黒いピンで簡単にまとめただけだった。
金裁判長に職業を問われると、朴被告は「無職です」と答えた。言いたいことはないかとの質問には「後で申し上げます」と述べた。
すぐ近くには、共犯に問われた友人の崔順実(チェ・スンシル)被告が座ったが、互いに目を合わせることはなかった。贈賄側として在宅起訴された韓国ロッテグループの重光昭夫(韓国名・辛東彬=シン・ドンピン)会長も出廷したが、崔被告とともに起訴内容を否認した。
韓国で大統領経験者が刑事被告人として法廷に立つのは、1996年の盧泰愚(ノ・テウ)、全斗煥(チョン・ドゥファン)両氏以来。今後、地裁は週2、3回のペースで公判を開く予定。
朴被告は、未遂分も含め、計約592億ウォン(約59億円)に上る賄賂を受け取った罪や、秘書官を通じて機密資料を崔被告に渡した罪などで起訴された。YouTubehttps://www.youtube.com/watch?v=yFCQ_wBHVRg
朴槿恵被告の初公判が開始 職業を尋ねられ「無職です」と答える
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