なぜ日本はノーベル賞受賞者が多いのか?香港メディア・星島日報が10日付のコラムで分析した。
21世紀に入ってから日本人のノーベル自然科学賞受賞者は22人(うち3人は米国籍)となった。これに対し、中国人は、2015年に生理学・医学賞を受賞した屠呦呦(トゥ・ヨウヨウ)氏ただ1人となっている。
星島日報によると、日本のノーベル賞「井噴現象(=爆発的増加)」は、「長期主義の勝利」と見ることができるという。
そこには、長期的で安定し、かつ的を絞った国家戦略と投資、堅実な基礎教育、自由な研究環境、職人精神、企業による研究開発、学問の継承など、さまざまな要素が含まれている。
北京大学の周程(ジョウ・チェン)教授は次のように指摘する。
「日本のノーベル賞受賞者の9割以上は第2次世界大戦後に高等教育を受けており、全員が日本国内で学部または専門課程を修了している。彼らの受賞の基礎となった研究成果は、1970年代以降に得られたものがほとんどである。つまり、日本の研究開発費の対GDP比が2%に達して以降の成果である。これは戦後の教育改革と関係があり、研究開発費の継続的な増加の恩恵でもある。強固な経済的支えなしには不可能だった」と分析している。
現在、中国の経済発展に伴い、研究開発費も急増している。2024年には、中国全体の研究・試験開発費が3兆6000億元を超え、前年より8・3%増加。GDP比で2・68%に達し、総額では世界第2位を維持している。中国のトップ大学の世界的評価も日本を大きく上回るようになった。
英国紙「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」が発表した最新の世界大学ランキングでは、清華大学がアジア1位、世界12位を3年連続で維持。アジア2位は北京大学で、2年連続で世界13位。日本の東京大学は26位にとどまっている。
ノーベル賞受賞には顕著な〝タイムラグ〟がある。研究によれば、科学的成果が生まれてから受賞まで平均22年かかるという。
星島日報は「このことから見て、中国が現在のように研究開発へ継続的に投資を続けるなら、ノーベル賞受賞はそう遠くないだろう。もっとも、自由な研究環境や職人精神などの面では、依然として日本から学ぶべき点が多い」と結んでいる。
中国が報道 日本人ノーベル賞受賞者が多い理由は「長期主義の勝利」「中国の受賞も遠くない」
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