火災が発生した国家情報資源管理院は、大田本院と光州(クァンジュ)、大邱(テグ)センターで構成されている。大田本院では政府業務システム647件の運営に必要な情報資源の管理などを担っている。出火元は5階7-1電算室だ。「電子政府の心臓」の中でも核心部ともいえる。迅速で安定した電子政府サービスのため、行政安全部・国土交通部など複数の中央行政機関の情報資源が集中している場所だ。大規模クラウドシステムだ。今回の火災で、当該電算室内の電算機器740台とバッテリー384台が焼失した。データのバックアップ有無によっては一部データの損失可能性も懸念される。
韓国政府は647件のシステムのうち火災を免れた551件については、通信・セキュリティインフラが稼働し次第、順次再稼働させる方針だ。ひとまず28日午後10時現在でモバイル身分証明書、郵便局インターネット預金など30件が復旧した。焼失した96件のシステムは大邱センター内の官民協力型クラウドサービスに移転する計画だ。
今回の火災で、「双子」システムである電算網二重化(バックアップ)体制がきちんと整っていないことが明らかになった。二重化は災害復旧(DR)システムの核心ともいえる。大田本院と光州センター間にこのシステムが一部構築されてはいるが、データバックアップ程度の必要最小限の水準だ。行政安全部関係者は「バックアップ体制はある程度備えているが、予算不足などでこれを実際に稼働させるシステムは整備できなかった面がある」と述べた。
本来の計画通りであれば、昨年から災難状況で国家情報資源管理院とシステムを保護する公州(コンジュ)センターが運営されているはずだった。しかし、予算問題により、建物だけを建ててながらもまだその機能を果たせていない。データを貯めているだけで、いざ運営システムに必要な機能はまだ構築されていなかった。
火災で停止した韓国‘デジタル政府’…実質的に存在しなかったバックアップシステム
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