【ニューデリー時事】ネパールのオリ首相は、中国政府が9月3日の「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年」記念日に北京で実施する軍事パレードに参加する予定だ。しかし、主要な開発援助国である日本の心証を害するとしてネパール国内で波紋が広がっている。
「長きにわたる開発パートナーの日本を傷つける必要はない」。地元政治アナリストのチャンドラ・デブ・バッタ氏はそう述べ、オリ氏の出席に反対する。その上で、ネパール首脳の参加を望む中国の思惑について「変化する地政学的状況の中、(新興・途上国の)『グローバルサウス』が自国側についていることを示そうとしている」と分析した。
ネパールは中国とロシアが主導する上海協力機構(SCO)の対話パートナー国。オリ氏は8月31日に中国・天津で開幕するSCO首脳会議にも出席する。昨年7月に就任した同氏は「親中派」と目され、就任後初の外遊先には慣例を破ってインドより先に中国を訪れた。
ネパール政府筋によると、SCOやパレードには当初、同国のポーデル大統領が招待されたが、日本に配慮し断った。日本政府から今回、パレードに要人が参加しないよう要請があったという。ポーデル氏は2020年、日・ネパール関係強化に寄与したなどとして旭日大綬章を受章した「親日派」として知られている。
親中派首相の軍事パレード参加に波紋 大統領は日本配慮で欠席―
1
ツイートLINEお気に入り
1
0