映画「南京写真館」は、旧日本軍から逃れようと、写真館に身を潜めた民間人の姿を描いた作品だ。豪華キャストが参加した同作品はすでに興行的な成功を収めており、第2次世界大戦終結80年を記念して公開される一連の中国映画の、先陣を切る作品となっている。
中国では、まだ歴史は終わっていないという感覚が根強く、しばしば政府がそれをあおることもあり、記憶と怒りが呼び起こされている。
動画アプリTikTokの中国版「抖音(Douyin)」で加藤氏は、映画の場面を中国語でこう振り返った。
「人々が川沿いに並ばされ、銃撃が始まった。(中略)自分の娘と同じくらいの年齢の赤ちゃんが母親の腕の中で泣いていた。そこへ日本兵が駆け寄り、赤ちゃんをつかんで地面にたたきつけた」
加藤氏はまた、日本のインターネット上で、南京大虐殺の発生を否定する人々を多く目にしてきたと語った。その中には、著名人や、政治家さえいたという。
「否定すれば、また同じことが起きる」と加藤氏は語り、日本人に対して映画を観るよう呼びかけた。そして、「自分たちの歴史の暗い側面を知ってほしい」と訴えた。
この動画は、投稿から2週間で67万件以上の「いいね」を獲得し、加藤氏の投稿の中でも特に人気の高いものとなった。
しかし、コメント欄の反応は必ずしも好意的ではない。最も多くの「いいね」が付いたコメントには、映画の中で中国の民間人が日本兵に向かって語った、次の印象的なせりふが引用されている。
「私たちは友達ではない。友達だったことは一度もない」
中国にとって、日本の軍事侵攻と占領は、歴史の最も暗い時期の一つだ。そして、当時首都だった南京での虐殺は、とりわけ深い傷となっている。
この傷がいえない理由の一つとして、日本が占領地で行った残虐行為について、十分に責任を認めていないという認識がある。残虐行為をした場所は中国だけでなく、韓国、当時のマラヤ、フィリピン、インドネシアなどにも及ぶ。
(英語記事 'We were never friends': A massacre on the eve of WW2 still haunts China-Japan relations)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c4gzk1301vko
「友達だったことは一度もない」 中国で日本占領時代描いた映画が次々公開
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