最高気温が36度まで上がった今月9日、ソウル広蔵(クァンジャン)市場は閑散としていた。この市場にはクーリングフォグなどの冷房設備が設置されていない。
「まるで蒸し風呂のようなのに、お客さんが来るわけないでしょう。商売どころか、一日中ただ座ってるだけです」
記録的な猛暑が続き、伝統市場や路地商圏の商人たちの嘆きが深まっている。特に魚、果物、野菜など温度に敏感な生鮮食品を扱う店では、暑さで客足がぱったりと途絶えた。商品の鮮度をどうにか保っているが、売り上げが伸びず、商人たちはやきもきしている。
全国の自治体が伝統市場の猛暑対策として蒸発式冷房装置(クーリングフォグ)の設置を進めているが、設置率は低い。14日、ソウル市の伝統市場施設近代化事業の支援状況によると、ソウル市内418の伝統市場のうちクーリングフォグが設置されているのはわずか13カ所(3.1%)に過ぎない。建物に連結され、または地下商店街に位置して日光の影響を受けにくい市場を除いても、269市場中11カ所で、設置率は4.1%にとどまる。
ソウル市の関係者は「昨年は9カ所、今年はさらに4カ所の市場にそれぞれ1億〜4億ウォンをかけてクーリングフォグを設置した」と述べ、「現場の意見を聴取しながら、伝統市場向けの猛暑対策を策定している」と説明した。
ソウル市鍾路区(チョンノグ)にある、ソウル最大規模の伝統市場である広蔵(クァンジャン)市場にもクーリングフォグなどの冷房設備はない。9日に市場を訪れてみると、市場の入口付近の店舗は何とか耐えられる水準だったが、チヂミなどを販売するフードエリアは、10分立っているだけで額から汗がダラダラと流れるほどだった。訪問客のキム・リゴン(28)さんは「油を使って焼いたり揚げたりする店が多く、熱気がすごくて息をするのも大変だった」と語った。
韓国政府は21日から全国民を対象に「民生回復消費クーポン」を支給すると予告している。しかし商人たちは、猛暑が続く中で、消費者が室内店舗に足を運び、クーポンを使うことで伝統市場が敬遠されるのではないかと懸念している。
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10分立っているだけでも汗がダラダラ…韓国伝統市場の商人「誰も来ないだろう」
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