韓国国内で自営業者・小規模事業者の「大量閉店」が社会問題となっている。景気低迷と消費心理の冷え込み、さらには高金利・物価高・ウォン安という「三重苦」により営業難が深刻化し、昨年だけで閉業申請件数が初めて100万件を突破したとみられる。
国税庁の統計によると、全国11大外食業種の店舗数は2024年4月から1年間で8576店減少。1日平均23軒が閉店している計算だ。特に減少が著しかったのはビアホールで、前年比7.8%減。韓国国内で最も店舗数が多い一方で、淘汰が進んでいる。
カフェ業界も深刻だ。2017年以降、店舗数が右肩上がりだったコーヒー飲料店は、今年初めて減少に転じた。2023年には約9万6000軒に達したが、2025年1~3月には9万5000軒余りに後退。かつての「カフェ創業ブーム」が陰りを見せている。
さらに首都圏の代表的な繁華街であるソウル・新村(シンチョン)は、かつての賑わいを失い「空き店舗の街」と化している。不動産仲介業者によると「1年以上借り手がつかない物件も珍しくない」。同地域では、カフェや飲食店のオーナーが赤字続きで撤退を検討しているが、後継入居者が見つからないため“撤退すらできない”状況だ。
その影響は中古厨房機器市場にも波及している。ソウル市中区黄鶴洞(ファンハクドン)の厨房街には売れ残った食器洗浄機やコーヒーマシン、テーブル・椅子などが溢れ、1年以上売れない商品も多数存在する。店主らは「このままでは廃業もやむを得ない」と漏らす。
韓国政府が近く発表する予定の「国税統計年報」によれば、2024年の全業種での閉業数が過去最多となる可能性が高い。2023年の閉業申告は約98万6000件に達し、前年比でさらに増加が見込まれる。
また、自営業者の経済的負担も急増。2025年1~3月期、自営業者の融資残高は1112兆ウォンに達し、2019年末比で50%以上の増加。借金を抱える自営業者は全体の約6割に上る。銀行への返済遅延率も上昇傾向にあり、金利負担が重くのしかかっている。
/AFPBB News
ビアホールもカフェも撤退続出…韓国・自営業危機「年間100万件突破」か
1
ツイートLINEお気に入り
1
0