「ハイエンド住宅」「ホテル級の住空間」などのキャッチコピーを掲げた高級住宅が、実際に完成してみると広告とはかけ離れた姿になっているという事例が韓国で増えている。派手な広告に引かれて購入した入居者らは、契約内容との乖離に困惑し、法的紛争に発展するケースもある。
実際、ソウル・江南の新築複合住宅「Penthill Cascade」は、分譲時にスパや発着サービス、ゴルフラウンジ、ホームキーピングなど多彩なコミュニティサービスを提供すると宣伝されていた。しかし、2023年2月の入居開始から2年以上が経過した現在も、ほとんどのサービスは提供されていない。
この物件の施行会社は「契約書に明記された義務ではない」として責任を回避している。一方、入居者たちは「詐欺分譲」だとして刑事告訴と民事訴訟を進めている。
こうした広告と現実の乖離は、この物件に限ったことではない。論峴洞の「Penthill Cascade論峴」や清潭洞の「DYAD清潭1」などでも、広告されたパース図や施設内容と完成後の実態が異なると指摘され、現在公正取引委員会の調査を受けている。
専門家によれば、分譲広告でよく用いられるパースやサービスの紹介は「契約書外の説明」とみなされ、法的責任を問うことが難しいという。建設会社と施行会社は互いに責任を押し付け、実際に消費者が救済を受けるのは非常に困難だ。
さらに、住宅の図面や設計内容が公にされていないことも多く、完成品と設計との食い違いを証明するのが難しい。共同住宅管理法の「瑕疵」規定も、構造物の安全性や機能上の重大な欠陥が対象であり、広告と異なるという理由だけでは対応できないのが現状だ。
ソウル市の関係者も「コミュニティ施設などは設計図の開示義務がなく、最初の計画と違うとしても証明が難しい。入居後に是正や調整することは事実上不可能に近い」と述べている。
このように消費者を欺くに等しい広告が規制されない現状に対し、事前の広告審査制度の導入や、契約と広告内容の連携を義務付ける制度整備を求める声が高まっている。高級住宅市場における“ハイエンド・マーケティング”に対し、自主規制の基準を設け、分譲業者の責任を明確にする必要があるとの指摘も強い。
MONEYTODAY/
「ホテルのような高級住宅」広告に期待したが、完成後は別物…
6
ツイートLINEお気に入り
6
0